スペインのサンセバスチャン国際映画祭で最優秀主演俳優賞を受賞した趙簫泓さん=2025年9月(ゲッティ=共同)
 スペインのサンセバスチャン国際映画祭で最優秀主演俳優賞を受賞した趙簫泓さん=2025年9月(ゲッティ=共同)

 【広州共同】中国で夫を刺して死なせた妻の実話を基に製作され、国際映画祭で好評を博した映画が物議を醸した末、中国当局の判断で公開中止になった。主演したのは実際に夫を刺し、服役後に出所した女性。裁判での認定とは異なり、家庭内暴力に反撃し誤って夫をあやめたという筋書きだったため「女性の犯罪事実を歪曲するな」との批判が殺到した。

 映画は「刑務所から来た母」という意味の「監獄来的媽媽」。中国メディアによると、女性は陝西省出身の趙簫泓さん(44)。服役生活や、息子や義母との関係を修復する過程を描いた。趙さんの息子らも出演。昨年9月にスペインのサンセバスチャン国際映画祭で上映され、趙さんは最優秀主演俳優賞に輝いた。

 趙さんは2009年4月、ベッドの設置などを巡り夫と口論になった。夫に頭を殴られベッドから引きずり下ろされるなどした後、居間にあった果物ナイフで夫の胸を刺し、夫は死亡した。

 趙さんは裁判で、故意ではなく「長期にわたる家庭内暴力」を受けていたと主張したが、故意傷害罪で懲役15年の判決を受けた。