◎今週の一推しイベント
【14日(土)】
▽「松屋銀座、未来の100年」(中央区)
開業100周年の一連の記念行事を2月までに終え、次の1世紀へ踏み出した松屋銀座。古屋毅彦社長に、今後のビジョンを聞いた。
1869年創業の鶴屋呉服店をルーツとし、松屋銀座は1925年に誕生した。「その礎はなくならないが、需要の変化から思い切って呉服売り場をなくした。百貨店は時代を映す鏡。伝統を守りつつ、改革の見極めが常に必要だ」と古屋社長は語る。
55年、日本デザインコミッティーと協力して店内に設けたグッドデザイン・コーナーにより“デザインの松屋”として地位を築いてきた。「ただモノがあればよかった時代に、食器や椅子など優れたプロダクトを提案し、お客さんの感性を豊かにする試みに挑んでいったのは大きな特徴だ」。現在も7階のコーナーには、柳宗理やハンス・ウェグナーら新旧デザイナーたちのコレクションが並ぶ。こうした文化体験の場は「銀座という舞台だからこそ提供できる」と表現する。
近年は地域共創にも注力。青森の伝統工芸を現代化した置物「めおと鳩」や、富山の鋳物メーカー「能作」とコラボした箸置きなど、職人技を佐藤卓さんらデザイナーの手で新たな形に昇華させ、支持を広げた。「職人さんとの密な連携は、効率性の対極にある仕事。最初は売れないのではという声もあったが良い意味で裏切られた」と手応えを口にする。
「地域に根ざし、街の公共性を担うのが百貨店の使命」との考えから、地元銀座の商店街とも深くつながる。デジタル化を推進する一方で、“距離感の近い接客”など現場でのリアルな体験を重視する。「日本の百貨店が誇るきめ細やかなサービスは、世界でも類いまれな無形文化財だ。国内外の人々に銀座の地で直接体感してほしい」
松屋銀座は展覧会企画を公募する「デザインギャラリーアワード」を今年スタート、次代を担う才能を発掘していく。
○そのほかのお薦めイベント
【14日(土)】
▽「ファッションの祭典、春の渋谷で開催」(13~22日、渋谷区)
流行の発信地を舞台にした祭典「渋谷ファッションウィーク(SFW)」が、2014年の初開催から25回目の節目を迎えた。
注目は、初の試みとなるマーケットイベント「THE CULTIVATE MARKET by SFW」(20~21日)だ。再開発の象徴的施設「渋谷サクラステージ」に、多様なファッション出店者が交ざり合う場を創出。“新たな渋谷”を発信する。
地域ニュースサイト「シブヤ経済新聞」の亀岡澄子記者は、長年取材してきたSFWについて、パリコレを目指す東京コレクション(現・Rakuten Fashion Week TOKYO)などのプロ向けのイベントとは対極にあるという。「世界のストリートファッションのリアルなトレンドを反映する催し。ハイブランドから古着、ビンテージ、ファストファッションまでを組み合わせ着こなす人々が集まる渋谷カルチャーを、肌で実感できる場だ」
同メディアの西樹編集長は「開幕以来、長年培われてきた地域コミュニティーの努力で発展してきた。かつて縦割りだった東急、パルコ、西武などの商業施設が一体となる機会をつくり、ランウエーのために車道の開放まで実現させた」と振り返る。
けん引してきたのは渋谷道玄坂商店街振興組合の大西賢治理事長だ。大西さんは毎年、開幕前に街の守り神、金王八幡宮へ祈願に訪れるという。
西編集長は「変わりゆく渋谷には世代ごとにさまざまな思いがある。時代を超え、多様性を受け入れてきた街であると感じてほしい」と期待する。期間中、国内外で活躍するアーティストFace Oka(フェイス オカ)さんのアート作品が街の至る所に展示される。
▽「ロンジン アーカイブ展~時を紡ぐウォッチメイキングの軌跡~」(~5月10日、中央区・シテ・ドゥ・タン・ギンザ、入場無料)
1832年創業のスイスの名門時計メーカー「ロンジン」の歩みをたどる特別展が、銀座で開催されている。
「エレガンス」「パイオニア精神」「精度」の三つのテーマで構成。同社で現存最古となる1902年製の腕時計や、スポーツ競技の記録を支えてきた高精度なクロノグラフ(ストップウオッチ機能付き時計)など、ブランドの歴史を象徴する名品19点が並ぶ。
大西洋無着陸横断飛行に成功したチャールズ・リンドバーグのアイデアで生まれた「アワーアングル・ウォッチ」の現行品も展示。その最初のモデル(31年)は、測位技術が未熟だった時代に太陽や星の角度から時間を導き出し、飛行士の命を守る大切な羅針盤の役割を果たしたという。
アール・デコ期の繊細な装飾を施した宝飾時計など、時代の流行を映し出す美しいデザインの変遷を紹介。技術の進歩だけでなく、工芸品としての時計も堪能できる。
【22日(日)】
▽「文字と絵で伝えあう展示ツアー~透明字幕パネルで科学コミュニケーターとまわろう」(11時、江東区)
最新のデジタル技術を用いて展示を巡るツアーが、青海の日本科学未来館で開催される。
ろう者や難聴の人も展示内容を楽しめるように、会話をリアルタイムで文字化する透明パネル「シースルーキャプションズ」を使用。同館科学コミュニケーターと手話通訳が同行し、筆談や絵を交え、常設展示を案内する。
テーマは「大人になるってどういうこと?」。加齢に伴う身体の変化を疑似体験できる「老いパーク」や、iPS細胞などの最先端医療を紹介する「細胞たち研究開発中」などの展示を見学し、自身の未来を考える。
























