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 コンピューターを使ったモノ作りは正確で簡単だが、表現がフラットで個性に欠ける--ということで、手作業とセンスを頼りにオリジナルの小冊子を作るためのワークショップを8つ紹介している。遊び心に満ちたひらめきのデザインを生むための手引書だ。

 「ありえない書き方を見つけよう!」では既成のフォントを超える自分だけのデザイン文字を編みだす。「歯ブラシで書く」から始まり「暗闇で書く」「ジャンプして書く」「(筆記具を)鼻の穴に入れて書く」……。「本を変身させよう!」では本に穴を開け、雑誌の切り抜きを貼り、色を塗りたくる。その他「記号で絵本をつくろう!」「なんでも円グラフにしてみよう!」などカラー写真とイラストを織り交ぜて、常識という枠を外す課題が並ぶ。

 しかし本書の魅力は、むしろワークの合間につづられる文化史に関するウンチクにある。

 たとえば「絵を動かしてみよう!」におけるパラパラマンガ誕生のくだり。15世紀に印刷術の発明で小型本が普及するとメガネの需要が高まり、レンズ技術が向上することで顕微鏡や望遠鏡が発明される。静止したものを観察することで近代科学が興り、19世紀末、静止画を連続展開することで動いているように見せるパラパラマンガが登場し、映画の発明につながる。

 シンプルな遊びにも地動説やルネサンス、遠近法の発明などひらめきの歴史が隠されている。人類の営みをたどって手作業のワークへ。ひらめくためには急がばまわれ。

(左右社 2500円+税)=片岡義博

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