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 お笑い芸人の必読書の一冊になると思う。人気漫才コンビ「ナイツ」のボケ役が漫才の笑いを徹底解剖した。質問に答えるスタイルで当事者が語り下ろした出色の現代漫才論だ。

 副題に「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」とある。その年の漫才トップを決めるM-1グランプリの常連だったナイツが結局優勝できなかった理由を自己分析し、漫才における笑いのメカニズムを説く。

 吉本興業主催のM-1は漫才の王道たるしゃべくり漫才がコント漫才よりも評価され、「なんでやねん!」と日常会話の延長で勢いと感情を乗せやすい関西弁は有利だ。地方からの移住者が多い東京の日常会話は意味の伝達が優先され、笑いの核となる「怒り」を表現するには最も不向きな言葉だという。

 それはオードリーやおぎやはぎ、ナイツなど熱量の低い掛け合いに象徴される。実際、これまでの非関西系のM-1王者はほとんどコント漫才だ。さらに持ち時間4分のM-1はナイツなど10~20分の寄席漫才コンビには不利だった。

 昨年、M-1の審査員になった著者は歴代出場者の強みと弱点を率直に評しつつ、ボケとツッコミの心得、アドリブの効用、客席との関係、笑いの進化などについて、実際の漫才コンビやネタを引用しながら解説する。

 特段の漫才通でもないのに、本書に登場する漫才コンビのほとんどを知っていた。知らないコンビやネタはすべてユーチューブで確認できた。今やお笑いは世の中に欠かせない存在になっていることをあらためて知る。

(集英社新書 820円+税)=片岡義博

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