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 従兄弟の子ども、ってなんて言うんですかね。はとこ、じゃないな。わかんないけどその子ら(4歳と2歳)にメロメロなんです。会っていいなら毎日会いたい。「アリーちゃん会いたかった」つって(私には聞こえる……)ギュってしてくれるやつ、来年も再来年も、なんなら一生やって欲しい。最近は町を歩いていても、子どもや子どもに関する商品がやたらと気になるアラフォー独身子なしです。今なんかおっしゃいました?

 そんな感じで書店をうろつき、目に留まったのがこんな本。なにこれなにこれ!!パラパラ立ち読みで終わらせるはずが、興奮冷めやらず即購入。

 著者はクリエイティブユニットTENTのプロダクトデザイナー、青木亮作。本書は、二児の父である青木が子どもたちの「なんとかして!」という要求を、工作で「なんとか」してきた記録だ。

 クライアントは子どもたち、発注(要求)に沿う工作を仕上げて提案し(完成)、クライアントのコメントを報告する……。発注書には要望の詳細とクライアント名、そして納期が明記され、報告書にはクライアントのみならずその母親(つまり妻)からのコメントも。

 「カメラ触らせて」「アイロンやってみたい」「雨が降れば暇」「パーティー気分にして」「うさぴょんと一緒がいい」「ガオー作ったら行っていいよ」。

 納期は「いますぐ」「なるはや」「晩御飯までに」……。クライアントからの発注は抽象的だったり突然だったり。ひゃー。

 しかしそんな発注に対して、青木の提案はどれもスゴイ。「ダンボール製の数字ボタン」には小さく切ったメラミンスポンジを内蔵し、押すと少し沈み込むようにしていたり、電動ドライバーのトリガーボタンには「垂直式ゴム紐バネ」を導入し、手応えのあるボタンを実現したり。「自分でトンカン組み立てられる小さなテーブル」は「圧縮式ネジシステム」を採用。雄ネジと雌ネジの寸法をギリギリに設定し、子どもたちが自分で打ったときに適度な反発が味わえるようになっている。しかもこれ、ほとんどがダンボールで。

 すごーい!大人が見てもわくわくする!と目を輝かせてページをめくっていたが、当事者たちは、決して同じ反応を示しているわけではないようだ。クライアントの母親、つまり青木の妻は辛辣かつ現実的。「(遊びに)永遠に付き合わされるのが、しんどかった。」「ああ~、またかさばるモン作って…。」「もう少し小さいサイズが良かったです。」「そんなもん作っとらんで、食器運んだり手伝え。」「特にないです。」ででですよね~。それでも時には「夫にこんな技があったとは。」「やればできるじゃん。」という、夫の仕事への賛辞があったりして、青木家の日常が垣間見えるのもステキ。ヒュー。

 どの工作も楽しそうだし見た目がかわいいし、従甥と従姪(っていうらしいですよ!読みはそれぞれ「いとこおい」もしくは「じゅうせい」、「いとこめい」もしくは「じゅうてつ」だって!寝たら忘れるなきっと)に作ってあげたいけど無理だな絶対。だって「喜んでもらうために大切なのは『精密さ』や『見栄え』ではなく『フレキシブルさ』と『スピード』」らしいんだもん。今すぐ始めても出来上がる頃には第二次性徴真っ最中だわ。

 てなわけで本書は、わくわくの詰まったアイデア集であり、プロダクトデザイナーの底力と家庭内パワーバランスを窺い知ることができるドキュメンタリーとしても楽しめる一冊となっている。あー楽しかった。あとね、青木家子どもたち、めちゃかわです。

(玄光社 2000円+税)=アリー・マントワネット

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