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 1冊の本が自分の価値観を根底から変える時がある。そんなスゴい本(=スゴ本)に出会うにはどうすればいいか。書名と同じ書評ブログを10年以上続け、読書会を主宰してきた著者が怒涛のスゴ本探索術を惜しみなく披露する。

 気になる本をすべて読めるほど人生は長くない。ならば「本を探すな、人を探せ」と著者は説く。書店ならば手書きPOPを書いた書店員、Amazonならレビュアーだ。好きな作家、書評ブログ、SNS、読書会を渉猟し、自分と趣味趣向の合う読み巧者の推薦本を追跡する。書店に集団で押しかけ、他人と意見交換しながら発掘するという荒技もある。

 著者が強く推すのが図書館の活用だ。ネットの評判や帯の惹句に乗せられ無駄金を投じるよりも、まずは図書館で目当ての本を借り、1ページでも1節でも読んでみる。気に入ったら買う。カウンター奥の予約本、移動ワゴンの本こそが頻繁に借り出される真のベストセラー。中でも背表紙が斜めに歪んでいる本が一気読みされた面白い本だという。

 そんな探索のハウツーから、さらに著者はスゴ本を味わうための深い森に分け入っていく。あまたの読書本を俎上に載せて、遅読・速読の功罪を問い、小説の読み方を論じ、「読むとは何か」「なぜ読むのか」を考察する。続いて、読んだものを咀嚼し、腹に入れ、養分とするため文章読本やレトリック本を通して書き方について検討する。

 追求されるのは、情報摂取のための読書ではなく、自分が変わるための読書だ。運命の1冊を手にするための驚くべき情熱、書物への愛着、徹底した実用性に圧倒される。もちろん、著者にとってのスゴ本もテーマ別に紹介される。私の知らないスゴ本がひしめいている。休館中の図書館開館が待ち遠しい。

(技術評論社 2200円+税)=片岡義博

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