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 長井短っていうと、最近結婚して、証明写真でツーショット写真撮って公開してた子だ。「装苑」モデルから「ピップエレキバン」のCMまで、幅広く活動してるのが個人的に好印象な女の子。

 「演劇モデル」と称して活動する長井。初の著書は恋愛ウェブメディア「AM」での連載を一冊にまとめたもの。

 恋愛、モテ、マウンティング、エロ、結婚、スクールカースト、ナイトプールなどなど、日常の中で湧いて出る、違和感を抱いた現象について考察した一冊だ。

 2018年2月からスタートしているこの連載。恋愛ウェブメディアだからかモテを分析するエッセーが多くあるが、中でも印象的だったのが生き方にまつわるエッセーだ。なんでも長井、「高校生の頃、モテたくてやった『滑舌の悪い喋り』『アンニュイな傾き』『内股』全て裏目に出てクスリやってると思われた」過去があったりと、数多に輝く黒歴史の持ち主のよう。

 だからなのか、自分を励ます言葉の力強さが本気のそれだ。例えば、海外のテレビ番組で耳にした「意見はケツの穴と同じ。誰にでもある」という言葉。その言葉を知って以来、「人に何を言われたとしても、『あ、この人にも肛門はあるからとやかく言ってくるのも当然ですな』と思えるようになった」という。ほかにも「ねぇ、私たちの自己肯定感は自分で自分のために生み出そうよ」、「背伸びするよりも、自分にちょうどいいことを」、「胸って別に膝」……ってこれだけじゃ意味わかんないけど、読んだら「そうだよ胸って別に膝じゃん!」って思うはず。あと本当に天才かなって思ったのがPMSについてのざっくりした説明で、「まぁ端的に言えば生理がくるちょい前に突然開会されて、生理が終わると瞬時に閉会される『皆殺しゲーム』です」って表現してたんだけどすごくないですか!?何度読んでも笑う。ほんとそれ!

 おもしろーい、天才!と賞賛しながら読んでいたら、耳が痛いことも書かれてました。ジェネレーションギャップで笑いを取る風潮について、「誰かが何かを知らないことを自分の自尊心の肥やしにするのも絶対に間違ってる」とはっきり、バッサリ言っていて、うわー私結構やってた!本当にそうだね、ごめんなさい。相撲の話をしてて「若貴」って言ったら「おかずですか?」って言ってた二十歳の女の子がかわいくて、おかずて!って思い出して友達とフフフってなったりしてたけど、違うよね。私たちだけが楽しくてもそれって全然楽しくないもんね。反省しました。

 誰かの言葉に傷付いたり、自分で自分を大事にできなかったり。楽しいだけのこれまでじゃなかったからこそ書くことができた、優しくて一生懸命な叱咤激励がつまった一冊。こんなに魅力的な人だったとは!これから大注目していきたいと思います。

(晶文社 1600円+税)=アリー・マントワネット

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