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 新型コロナウイルスは、世界で多くの人の命を奪い、日本もついに緊急事態宣言が出されて28日で3週間。外出自粛要請によって、この原稿を書いている今も、私たちはこれ以上の感染を止めるため、自分たちの責任の上で自宅にいます。国民への10万円給付とマスク2枚以外、具体的な経済政策も打ち出されないまま皆が感染と今後の生活に不安を持ちながら暮らしていますが、このような状況下で今一度観たいのが庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』です。この映画は、エンターテインメント的な側面はもちろんのこと、日本政府が持つ組織的な問題を考えさせられる点も提起しています。

 日本を襲うゴジラは、恐ろしい光線を放って東京を破壊し、放射能を撒き散らして人々を恐怖に陥れます。庵野監督がゴジラのリメイクに置いて描いたのは、3.11での原発事故。でも今観ると、ゴジラがコロナのような存在に思えてきます。ハリウッド映画であれば、ゴジラのような怪獣が街に現れた瞬間から戦闘シーンの連続になったはず。でもこの映画では、日本の官僚組織が右往左往しながら会議をひたすら繰り返していく姿が描かれます。私たち国民には全く目に見えない中で決まったマスク2枚の配布や一斉休校、イベントの自粛要請……。映画を観ていると、私たち国民の意思とは全く関係のないところで、このような会議が行われ、決定されていったのではないかと改めて考えさせられます。会議に次ぐ会議が行われている一方で、人々がひたすら逃げ惑い、無情に街を破壊していくゴジラの姿に恐怖を感じます。皮肉にも首相役を演じたのは、亡くなった大杉漣さんでした。スクリーンの中の大杉さんに、「大杉さん、日本はこんな大変なことになってしまいましたよ」と思わずつぶやいてしまいました。★★★★★(森田真帆)

総監督、脚本:庵野秀明

監督・特技監督:樋口真嗣

出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ

「シン・ゴジラ 2枚組」

Blu-ray、DVD発売中

発売・販売元:東宝

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