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 (C)2016 Aamu Film Company Ltd
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 1月17日の東京を皮切りに全国を巡業中のフィンランド映画で、5月からはDVDなどでも鑑賞できる。オリ・マキは、1962年にフィンランドで初めて開催されたボクシングの世界タイトルマッチを戦った実在のボクサーだ。なので、本作を“スポーツ映画”にカテゴライズすることも可能なのだが、その響きが喚起するイメージを期待すると肩透かしをくう。

 というのも、16mmのモノクロ・フィルムで撮影された本作は、ヌーベルバーグのトリュフォーがボクシング映画を撮ったらこうなるだろうと思わせるもので、オリ・マキはタイトル戦の当日でさえ、好きな女の子のことで頭がいっぱいなのだから。きっと、これが長編デビューとなるユホ・クオスマネン監督は、トリュフォー好きなのだろう。白いスカートがひらひらと舞う自転車のシーンは『あこがれ』を思い出させ、ヒロインはファニー・アルダンのように大柄で、突然裸足になって歩きだす。主人公にもどこか共通の匂いがある。

 ことによると、大事を前に異性にうつつを抜かすオリ・マキは、勤勉な日本人からすると鼻白む存在かもしれない。だが、それこそが本作のメッセージであり、多様な価値観(勝つことは絶対ではないなど)を受け入れる映画の包容力や現代性を象徴しているように思う。カッコよくも強くもなく、成長もしないオリ・マキは、スポーツ映画のヒーロー像の新たな指針となるかもしれない。★★★★★(外山真也)

監督・脚本:ユホ・クオスマネン

出演:ヤルコ・ラハティ、オーナ・アイロラ、エーロ・ミロノフ

全国順次公開中、DVD発売中

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