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 (C)Les Films Du Fleuve ‐ Archipel 35 ‐ France 2 Cinema ‐ Proximus ‐ RTBF
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 (C)Les Films Du Fleuve ‐ Archipel 35 ‐ France 2 Cinema ‐ Proximus ‐ RTBF

 映画の良し悪しは、何を語るかではなく何を“映す”かで決まる。ベルギーのダルデンヌ兄弟の場合、それは“子供”である。もちろん、子供が主人公ではない彼らの作品も十分に面白いけれど、何かが欠けている印象を覚える。本作の主人公は、イスラム教の過激思想にのめり込む13歳の少年。だから、最初から成功が約束されていたのだ。

 彼は狂信的な考えにとり憑かれ、学校の女性教師を殺害しようとする。とはいえ、本来はどこにでもいる普通の少年。思春期特有の反抗心や不純なものへの嫌悪感が、未熟ゆえに悪い形で発露してしまったに過ぎない。つまり、至ってシンプルな成長物語であり、ダルデンヌ兄弟はいつもの主人公に徹底して寄り添うカメラによってシンプルに提示していく。そのスタイルが最も効果を発揮するのは、やはり被写体が子供においてだろう。

 大人と比べて言葉が未熟な子供は、自己表現を行動に頼る。必然的に身体性や運動性が生まれる。木に登ったり柵や壁を越えようとすれば、上下の空間や重力も描ける。子供は常にアクションスターなのだ。しかも、大人の社会が投影された現実と地続きの存在であり、視野の狭さが(我々に与えられる情報を制限するので)サスペンスまでももたらす。今回も受賞(監督賞)しているが、ダルデンヌ兄弟がカンヌ映画祭でこれほど無敵なのは、「何を映すか」が「どう映すか」と最良の関係を築いているからだろう。★★★★★(外山真也)

監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ

出演:イディル・ベン・アディ

6月12日(金)から全国順次公開

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