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 (C)2018 HOMEGREEN FILMS TAIWAN PUBLIC TELEVISION SERVICE FOUNDATION ALL RIGHTS RESERVED
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 2013年の『郊遊 ピクニック』を最後に商業映画からの引退を表明した台湾のツァイ・ミンリャン。そのあまりの出来の良さに少なからずショックを覚えたものだったが、以降も街中を人がスローモーションのようにゆっくり歩く“行者シリーズ”などの実験的な短編やVR作品などを次々と発表してファンを安心させた。これは、そんな彼の引退作以来5年ぶりとなる長編映画だ。

 台北・西門町にある中山堂で、もう若くない男女13人の顔をカメラが捉える。ラストカット以外は全編ただ顔のアップだけ。しかも、彼の映画に欠かせない俳優リー・カンションを除けば無名の12人である。一見、コロナ禍で撮影されたリモートドラマと似ているだけに、それがかえってライティングやアングルが顔にもたらす情報量の差を際立たせる。

 カメラが正面から自分の顔を露骨に直視し続ける状況に、人はどう対処するのか? 撮られる側にも観る側にも覚悟とエネルギーが必要になる。時には、耐えきれずに舌の体操を始めたり、生い立ちを語ったり、ハーモニカを吹いたり、居眠りをする者も…。だが、顔というものは無表情であるほど饒舌であり、正面に据えられたカメラを見るか見ないかというギリギリのところにサスペンスが宿るのである。音楽を担うのは、日本の坂本龍一。ツァイ・ミンリャンが、劇伴を多用しない“音(現実音)の映画作家”であることを心得た見事なコラボになっている点も強調しておきたい。★★★★☆(外山真也)

監督:ツァイ・ミンリャン

音楽:坂本龍一

出演:リー・カンション

6月27日(土)から全国順次公開

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