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 (C)2020 SCIC Intl Photo Courtesy of Apple
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 ソフィア・コッポラの映画は、肩の力が抜けた軽やかな作品の方が圧倒的に面白い。何せ『マリー・アントワネット』をみずみずしいガールズ・ムービーに仕立ててみせた監督なのだから。その意味で、主演のビル・マーレイの魅力が弾ける今回は、彼女らしさが全開の新作と言えるだろう。

 夫の浮気を疑ったヒロインが、プレイボーイの父親と“探偵コンビ”を組んで夫を尾行する。NYのマンハッタンを舞台に父娘が冒険を繰り広げるコメディーで、一言で言ってしまえば、奔放な父親が娘を振り回す話だ。でも、その父親はトリックスターの役割を担っていて、最後には娘とその家族をハッピーエンドへと導く。そんな古典的なプロットを用いてソフィアが描いているのは、細部の面白さであり、ビル・マーレイの軽妙洒脱ぶりだ。

 それにしても、どこまでが脚本通りで、どこからが彼のアドリブだろう? 存在感だけでも十分におかしいのに、娘役ラシダ・ジョーンズとの掛け合いがまた絶妙で、ヘタクソな口笛を吹くだけで、あるいは後ろ向きに店を出ていくだけで、クスッとさせられるばかりかウキウキした気分になる。それを支えるソフィアの演出も、日常の描き方をよく心得ていて、例えば小津的な“繰り返し”の手法などを駆使して、普段の生活にリアリティーを与えているから、日常を逸脱した父娘の冒険が引き立つのだ。必見! ★★★★★(外山真也)

監督・脚本:ソフィア・コッポラ

出演:ビル・マーレイ、ラシダ・ジョーンズ

10月2日(金)から全国公開、10月23日(金)よりApple TV+にて世界配信

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