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 バンド名は音楽の入り口だったりするけれど、その名も「キズ」。最近めっぽう刺激に弱くなった四十路の筆者には少々尻込みしてしまう名前だ。最近知り合った年下の女の子からの熱烈なプッシュがなかったら、手に取らなかった一作かもしれない。

 2017年に始動した4人組ヴィジュアル系バンド、キズ。彼らの4回目となるワンマンライブの模様を収録した本作。溢れ出す感情をさらけ出すような歌詞と、その感情を振り切るような荒ぶるサウンドが強烈だ。ときにうめき、ときに叫ぶその姿に熱狂で応える観客。メンバーの出で立ちも含めて、すべてがカオスのような空間だが、鳴り響くドラムやギターの高い演奏技術がその状況を一つの美しいなにかに昇華させている。

 ヴィジュアル系、とひとくくりにしてはいけないのかもしれないが、私にもかつて大好きだったバンドがいた。自分の感情が自分のものではないような不安や、社会と自分との境界線が見出せずにただ戸惑っていた10代のころ、無性に張り裂けるほど大きな音が聴きたくなった。バンドは私の代わりにステージの上で叫び、うめき、拳を突き上げてくれる、いわば「身代わり」だったのだと思う。キズも今、多くの人にとってそんな存在なのかもしれないと、まさに命の限り歌い演奏する彼らの存在の大きさを思った。

(DAMAGE・4000円+税)=玉木美企子

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