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 松田聖子『SEIKO JAZZ 2』
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 松田聖子『SEIKO JAZZ 2』

 ジャズ・アルバム第2弾。シリーズものは、どうしても第1弾の方が旨味があるのだが、この場合はどちらも甲乙つけがたい。より気軽に聴きたい人には、むしろ本作の方がオススメだ。

 全10曲、年相応に落ち着いた中音域の歌声が自然にハマっていて驚く。勿論、彼女らしいキャンディ・ボイスもあるが決して派手ではない。特に、ラテン音楽の定番『スウェイ』では、妖しくスウィングするように歌い、ボサノバの『ワン・ノート・サンバ』では、穏やかな日差しで明るくなる程度に声を調整している。『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』も、ムーディーで円熟味が堪能できる。

 普段のポップス系での聖子は、歌声の才能にも作家にも恵まれた人という印象が強い。しかし、ここでは、ミュージカルの有名曲『虹の彼方に』で大きく深い歌唱に挑んだり、マイケル・ジャクソンの『ヒューマン・ネイチャー』では低音の歌声でコーラスとの調和も試みるなど、努力の人だと思い知らされる。

 ブックレットには、ストレートの長髪でのモノトーンの写真が掲載され、楽曲にも合っている。本作を聴けば、生活や仕事において、今ウケるものより後世に残るものを選びたいと思うはず。

(ユニバーサル・3200円+税)=臼井孝

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