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 キャロル・キング『ライヴ・アット・モントルー1973』
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 キャロル・キング『ライヴ・アット・モントルー1973』

 なぜだろう、キャロル・キングの歌声に耳を傾けていると、ビル街の喧騒も窓の外の雨も急にやわらかな色を纏い、いつもより優しい景色に変わる。少し震えるような、はかなげでスモーキーなその声。そして彼女の生み出す楽曲は、たとえみんなで大合唱しても、一人ひとりの心のひだにちゃんと寄り添ってくれるような不思議な懐かしさとやさしさを湛えている。

 そんなキャロルが1973年、スイス・モントルーで行ったライヴの模様を収録した本作。完全未発表だった貴重映像がこのたび、満を持してのリリースとなった。

 このモントルーライヴの6週間前には、ニューヨークのセントラル・パークで10万人という大観衆を前にヘッドライナーを務めていたそうだが、本作ではうってかわって、“街の発表会”のような親密ささえ感じる雰囲気がまた魅力的だ。

 MCも含めとにかくリラックスしたムードで、だからこそ演奏の精度の高さが素晴らしい。デヴィッド・T・ウォーカー、ハーヴィー・メイソン、チャールズ・ラーキーら、凄腕のミュージシャンたちとともに惜しげも無く繰り広げられる、グッとくるパフォーマンスの数々。時を経て、今この瞬間を目の当たりにできたことがもはや奇跡のようだ。音楽を味わう、その幸せをしみじみと感じられる一本だった。

(ヤマハミュージックエンタテインメント・4600円+税)=玉木美企子

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