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 ちょっと昔のライヴ映像を観るのが好きで、みつけるとつい手が伸びてしまう。そこには今はもうあまり使われていない機材やスピーカーが並んでいて、今逆に新鮮なファッションの人たちが演奏をしていたりする。観客たちの「顔」(髪型やヒゲ、メイクなどの影響も大きいのだろうか)も、今も生きている方も多いだろうに、不思議とその時代を映している。そんなことも含めていつまでも眺めていて飽きることはなく、たんなる音楽鑑賞を超えた体験ができるところが気に入っている。おまけに、スタッフへの支払いもとうに終わり、“元が取れている”ような映像であることが多いため、価格が手頃なのも魅力的だ。深夜にちょっとほろ酔いでそんなライヴ映像を流し、眺めながら、自分がいまどこにいるのか曖昧になるような時間がいい。

 前置きが長くなったが、本作はまさにそんな動機で選んだ一作。1970~80年代のジャズを語るうえで欠かすことのできないスーパーグループ、ウェザーリポート(以下、WR)が1983年5月、ドイツはケルンで行ったライヴの映像が収録された作品だ。いわずもがな、演奏もすごい。ちょうどこのライヴの少し前にメンバーのうち3名が脱退し、代わりに3名の新メンバーが抜擢された新生WRによるステージだが、その初々しさや活気が、時間が深まるにつれ、より前面に出てくるように感じる。アイコンタクトで会話し繰り広げられる、自由闊達なセッション。「音楽でどこまで遠くへ行けるか」みたいな、神聖さえ感じてしまうほどだ。コンピューターミュージックが前提な現在、このような生演奏のぶつかり合いが眩しい。宝物の一枚になった。

(MSI・3400円+税)=玉木美企子

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