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 「本気でグラミー賞狙っていそう!」と最初に聴いて思った。通算6作目のオリジナルアルバムは、ロンドン、L.A.、N.Y.、サンパウロを巡って、名うてのミュージシャンやエンジニアと録音した意欲作。近年、King Gnuや藤井風など新進気鋭の天才肌が注目されているが、十年選手の彼も忘れてはならない。

 全12曲、とにかく才能が溢れまくっている。4つ打ち高速ナンバーの『Getting To Love You』では早口かつ裏声での英語がなんともシルキーだし、ミディアム調の『She’s Gettin’ Married』を地声で歌うとソウルフルな空気に包まれる。また、「孤独から逃げるやつをNever believe」と歌う『孤独の天才』では、ジャジーな演奏に合わせて器用に声色を変えていて感心する。まるで高級な楽器だ。

 サンパウロで録音した2曲は、トランペットと自身のピアノで浮遊感が漂う『鬼灯』、陽気なサンバ調の『想い出オブリガード』、演奏に熱気を感じさせる『リベルダーデのかたすみで』と、どれもエキゾチックなのに、日本的な親しみもある。特に、『リベルダーデ~』は、串田アキラ風の歌声も相まって、70年代の刑事ドラマを想い出した。

 さかいの死生観を売野雅勇が汲んで作詞したという『Soul Rain』も印象的だ。自分が消えても、雨となってまた現れるといった歌詞を、時に優しく、時に力強く歌っており、雨が降る度に、先人たちから勇気をもらえそうだ。

 公式サイト上の本人の全曲解説も超緻密。本作を聴けば、様々な才能のある人々と出逢いたいと、心から思うようになるはず。

(newborder recordings/Caroline International・通常盤 3000円+税)=臼井孝

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