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  約4年半ぶりとなる通算10作目のアルバム。ちなみに、タイトルは“羊がなると信じられていた伝説の木”のことで、ジャケットのイラストも安藤自身によるもの。この2点だけでも既に深遠な世界に迷いこんだ気分になる。

 実際に聴くと、全12曲は浮遊感と爽快感が重なり合った演奏の中、安藤が力むことなく歌っている。歌詞に注目すると、どの歌もラブソングなのだが、『Little bird』では高速道路に沿って飛んでみたり、『空想の恋人』では異次元に迷い込んだり、『鑑』では甘い夢と暗い夢が表裏一体だったり、とにかく比喩表現が豊富で、想像力が試される。これは、自分の半径50cmで事足りる短絡的な楽曲とは対極的だ。大貫妙子や吉田美奈子の作品、あるいは中森明菜の問題作と言われた『不思議』が好きな人におススメ。

 その中で、夢の中で昔の恋人に逢いに行く『一日の終りに』や、トオミヨウが作曲・編曲した穏やかな曲に、過去の恋愛を忘れられない男性を主人公とした歌詞の『曇りの空に君が消えた』辺りが、従来の安藤ファンにも聞きやすいかも。個人的には、学生時代の恋を描いた『青の額装』での絶え間なく飛行機が通るような効果音に、青春期の青空がより切なく見えた気がした。

 公式サイトに安藤本人が各曲の場面設定を記しているので、それを手掛かりに楽しむのも良いし、まずは何も見ずに聴くのも新たな自分が発見できそうだ。本作を聴けば、いま見えている景色や体験した時代以外にも優しい目線が持てるようになるはず。

(ポニーキャニオン・通常盤 3000円+税)=臼井孝

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