西進台風が接近 豪雨被災地の住民ら不安な夜
2018/08/06 12:38
台風に備え、雨が降る前に避難した住民ら=28日午後6時44分、宍粟市一宮町公文
台風12号が接近した28日、西日本豪雨で土砂災害などが起きた兵庫県内の被災地では厳戒態勢が取られた。またも避難を強いられた住民たちは疲労をにじませ、不安な夜を過ごした。
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土石流が起きて避難指示が続く神戸市灘区篠原台。家の片付けのために自宅に戻っている住民たちも多く、灘消防署員たちは28日午前から各戸を回り、「明るいうちに避難を」と呼び掛けた。市は2世帯が避難を続ける神戸大に加え、神戸松蔭女子学院大と王子スポーツセンターにも避難所を開設した。
同地区内では強まる風を気にしながら、二次災害を防ぐための作業が急ピッチで進められた。市の委託業者は、土砂が流れ出た道路沿いに大型の土のうを積み上げた。住民たちも住宅街に水があふれ出すのを抑えようと、側溝に詰まった泥をかき出した。
家族らと作業に当たった男性(47)は「地盤が緩んでいるので、台風が来たらいつ崩れだすか分からない。夜は親類の家に避難します」と話した。
西日本豪雨で大きな被害を受けた宍粟市は28日午後5時すぎ、市内6地区・自治会の計1408世帯3765人に避難勧告を発令した。豪雨による土砂崩れで男性1人が死亡した同市一宮町公文の2集落では、6世帯13人が約5キロ離れた西公文公民館に避難した。県道を寸断した土砂崩れ現場には大きな亀裂が残っており、崩落の危険があるため同日午後から再び通行止めとなった。
避難した住民の男性(83)は「亀裂がいつ崩れて孤立するか分からない」。女性(67)は「集落で話し合って避難を決めた。冷蔵庫に食料が残っており、停電が心配」と不安な表情を浮かべた。
イベントなどの中止も相次いだ。29日に予定された「神明あかふじ米・第31回兵庫県ジュニア軟式野球選手権大会」(神戸新聞社など主催)の準決勝と決勝は30日に延期が決定した。
また県内の百貨店で、そごう神戸店(神戸市中央区)が29日の開店を1時間遅らせ午前11時とする。(若林幹夫、古根川淳也、山路 進)