「いつ帰れるんや…」炎天下の復旧作業、疲労蓄積

2018/08/06 15:26

強い日差しの下、土砂や流木の撤去に追われる住民ら=9日午前10時47分、神戸市灘区篠原台(撮影・大森 武)

 夏の強い日差しが被災地に降り注ぐ。兵庫県内各地にも大きな被害をもたらした西日本豪雨。神戸市や宍粟市などでは9日、スコップを手に住民らが必死に泥をかき出したが追い付かない。長期化する避難生活では疲労の色が濃くなる。「まだまだ片付かん」。「いつ家に帰れるんや」。嘆きやため息が漏れた。(那谷享平、上田勇紀、古根川淳也) 関連ニュース バレー新リーグ盛り上げろ! ヴィクトリーナ姫路がプレシーズンマッチ 9月5、6日 観戦無料 「戦争やめて」願い絵画に 姫路市で「非核平和展」 9月1日まで 追悼の思いを歌に 「佐用いのりのとき合唱団」、25日に最後の公演

 6日夜に土砂崩れが起きた神戸市灘区篠原台地区では、床上浸水20棟、床下浸水21棟に上った。家屋や道路には、水を含んだ大量の土砂があふれ、窓ガラスの割れた車や泥に埋まった流木が横倒しになっていた。
 市が重機2台を出して撤去に当たっているが、土砂の量は膨大だ。男性会社員(29)は「岩やがれきは手作業ではどけようがない。復旧はいつになることか。仕事はしばらく休むしかない」と疲労をにじませた。
 市によると、下水管に土砂がたまるなどし、トイレが使えない状態に。土砂は地区を南北に走る坂道に集中し、一部は9日夜現在も避難指示が続く。
 避難所となった近くの神戸大には同日夜も数人が宿泊。家や車が被害に遭った自営業の男性(56)は「下水道が通るまで避難所から出勤するしかない。自力ではどうすることもできないことが多く、先行きが見えない」と不安そうだった。
 土砂崩れで孤立していた宍粟市一宮町公文の小原集落と溝谷集落には8日、自衛隊や県警、消防隊員らが入り、ヘリコプターで住民を救出した。小原集落は停電が続き、水道も使えないという。土石流で民家数軒が浸水した同市一宮町河原田でも復旧作業が続いている。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ