「いつ戻れるのか」猛暑、兵庫の避難者も疲弊
2018/08/06 15:20
空調設備のない体育館で、扇風機で暑さをしのぐ避難者=11日午前、神戸市灘区青谷町1
西日本豪雨で、兵庫県内でも計335カ所の土砂崩れが確認された。県によると、神戸、宍粟、淡路の3市で計72人(10日午後4時時点)が避難しており、慣れない避難所暮らしに疲れの色が濃くなっている。
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6日夜に大規模な土砂崩れが起きた神戸市灘区の篠原台地区。避難所の一つ、王子スポーツセンター(同区青谷町1)の体育館には空調設備がなく、最高気温が連日30度を超える中、世帯ごとに提供された扇風機で暑さをしのいでいる。
男性(74)と長男(38)は「暑さもつらいが、夜になっても照明がついたまま。なかなか寝付けない」と話す。11日午後には自宅に戻るつもりだが、「周囲はまだ土砂に埋もれている。復旧はいつになるのだろう」と不安そうに語った。
神戸大(同区鶴甲3)に避難している男性(56)も自宅マンション前の土砂の撤去が進まず、「いつ戻れるか分からない。避難所の閉鎖が先か、自宅に戻れるのが先かと考えると精神的にしんどい」と漏らした。
土砂崩れで男性1人が犠牲になった宍粟市。今も停電が続く同市一宮町小原集落の住民ら3世帯5人は、一宮北中学校の寄宿舎に避難して4日目を迎えた。
同集落への県道は土砂撤去が完了し、住民らに限り通行できるようになった。飼い犬の世話のため夫(76)が自宅に残っている女性(67)は「夫に会えて安心した。停電さえ復旧すれば、すぐ帰って洗濯したい」と話していた。(村上晃宏、古根川淳也)