「バイクなど流れてきた」土石流被害で避難

2018/08/06 15:31

裏山が崩れ、1階部分に流入した土砂で激しく損壊した民家。住人4人はいずれも無事で、近隣住民とともに避難した=7日午後0時27分、三木市志染町三津田(撮影・井川朋宏)

 兵庫県内では7日も激しい雨が降り続き、土砂崩れや住宅損壊が各地で相次いだ。床上・床下浸水の被害は計300棟に上った。 関連ニュース 地震発生、舞台は特養- 避難所運営をゲームで学ぶ 「想定外」の事態続々、職員ら緊迫 新温泉 阪神・淡路大震災から生まれた創造的復興 災害甚大化に備え訴え「ひょうご安全の日宣言」 県など 【能登半島の観光復興】個別の取り組みに限界 県は「防災教育」前面

 神戸市灘区の篠原台地区では6日夜に山肌が崩れ、住宅街を通る生活道路が約300メートルにわたって土砂で覆われた。中には膝元近くまでたまった場所もあり、約40人が消防隊員に救出された。
 近くの神戸大に姉と2人で身を寄せた男性(57)によると、土石流は数回続き「バイクやサッカーボール大の石も一緒に流されていた」と証言。食料品と薬を持ち、土砂を乗り越えて避難したが、降り続く雨で撤去のめどは立たない。男性は「埋まった道は私道。今後誰が復旧することになるのか」と困惑していた。
 家屋の床上・床下浸水が約150棟に上り、県内で最も多かった丹波市。JR福知山線の丹波竹田-市島間では、水路や農地からあふれた雨水で線路周辺が削られたのか、基礎部分がむき出しになり、流木が積み重なった箇所もあった。
 加東市河高では加古川の水があふれ、近くの民家2軒と2事業所が浸水、周辺の道路も冠水により通行止めになった。2004年の台風23号で床上浸水の被害に遭った男性(69)。昼ごろには自宅近くまで水が迫ったが、「ぎりぎりで助かった」と安どし、妻(66)も「雨が降り続き、3日間神経をすり減らした」と話した。(篠原拓真、大田将之、笠原次郎)

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