菊水ゴルフクラブのコース閉鎖 西日本豪雨で土砂流出し復旧困難
2018/08/28 13:49
西日本豪雨で崩れ、コースに流出した土砂=菊水ゴルフクラブ
半世紀の歴史を持つ神戸市兵庫区烏原町の菊水ゴルフクラブが、7月上旬の西日本豪雨による被害で、ショートコースの閉鎖を決めた。コース内3カ所で土砂崩れやのり面の崩壊があり、復旧が困難と判断した。敷地内にある練習場やゴルフショップ、レストラン、乗馬クラブなどは引き続き利用できる。(村上晃宏)
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同クラブは以前あったゴルフ場を引き継ぎ、1968年に開業。山あいを回る9ホールのショートコースがあり、現在の会員数は約300人。同クラブによると、神戸市内で4番目に歴史のあるゴルフ場という。
ショートコースは神戸の中心地から近く、季節を感じられるロケーションや9ホールという手軽さが人気で、昨年は延べ約1万8千人が利用した。西日本豪雨で1、2番ホール脇の山の斜面が崩れ、6番ホールはコースののり面が崩壊。土砂がコースの一部に浸入し、照明設備も倒れた。
1番ホールでは3年前も同様の被害があった。専門家や業者から「地質を考えると、今後も同じ被害が起きる可能性があり、完全に土砂崩れを防ぐには大きな費用がかかる」と伝えられたという。
地権者らと復旧に向けて話し合いをしたが、危険性や工事費用、収益などを考え、コース閉鎖を決断。26日には会員向けの説明会を開き閉鎖を発表した。会費や預かり金は返還する予定で、コースの今後の活用は未定という。
同クラブの代表取締役、北野友之さん(62)は「ショートコースの閉鎖は、愛着を持ってくれた会員や利用者に申し訳ない思いだ。寂しい気持ちもあるが、今後は山あいのロケーションを生かした利用方法を模索したい」と話した。