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尼崎JR脱線事故

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外出自粛などの影響で人通りの少ない脱線事故の現場付近を電車が通過する=25日午後6時42分、尼崎市久々知3(撮影・辰巳直之)
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外出自粛などの影響で人通りの少ない脱線事故の現場付近を電車が通過する=25日午後6時42分、尼崎市久々知3(撮影・辰巳直之)

 乗客106人と運転士が亡くなった兵庫県尼崎JR脱線事故は、25日で発生から15年を迎えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、追悼慰霊式など関連行事の大半が中止となり、静かな祈りの日となった。JR西日本では今春、事故後に入社した社員が半数を突破。当時の状況を生々しく伝える事故車両は、同社の研修施設に一時保存する方針が示されたが、その後は決まっていない。記憶と教訓の継承が課題となっている。

 昨年、事故現場の追悼施設「祈りの杜(もり)」(尼崎市)で開かれた追悼慰霊式典には、500人を超える参列者があった。しかし、この日正午までに施設を訪れたのは約10組。感染予防のため時間をずらした。

 JR西では団塊世代の大量退職などに伴い、社員の若返りが急速に進む。西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組)が今年2~3月、327の社内職場に実施したアンケートでは、事故の風化防止が「十分にできている」とした職場は24%にとどまった。

 長谷川一明社長は風化防止策として、事故車両の活用や教育プログラムの見直しに言及。特に事故車両については、大阪府吹田市の研修施設「鉄道安全考動館」を拡張して7両全てを一時的に保存し、社員教育に使う考えを示している。

 ただ、恒久的な保存先や一般公開の可否は遺族らの間でも意見が分かれている。長谷川社長もこの日、「それぞれの思いはどれもごもっとも。時間をかけてしっかりと取り組んでいきたい」と話すにとどめた。

 一方、遺族の大森重美さん(71)=神戸市北区=らは残る課題として、重大な死亡事故を起こした企業などに刑事責任を問えるようにする、「組織罰」の導入を訴える。他の事故遺族とも連携して活動するが、国は導入に否定的な見解を崩していない。(前川茂之)

【尼崎JR脱線事故】2005年4月25日午前9時18分ごろ、尼崎市のJR宝塚線塚口-尼崎間で、宝塚発同志社前行き快速電車(7両編成)がカーブで脱線し、線路脇のマンションに激突、乗客106人と運転士が死亡、493人が重軽傷(神戸地検調べ)を負った。JR西日本の山崎正夫元社長が業務上過失致死傷罪で在宅起訴され、井手正敬元会長ら歴代3社長も同罪で強制起訴されたが、いずれも無罪判決が確定した。

2020/4/26

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