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「使用不可」の紙を張り、間隔を空けた神戸地裁の傍聴席=神戸市中央区橘通2
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「使用不可」の紙を張り、間隔を空けた神戸地裁の傍聴席=神戸市中央区橘通2

「使用不可」の紙を張り、間隔を空けた神戸地裁の傍聴席=神戸市中央区橘通2

「使用不可」の紙を張り、間隔を空けた神戸地裁の傍聴席=神戸市中央区橘通2

 新型コロナウイルス禍は、人を裁く司法の現場にまで影響を及ぼしている。裁判所の法廷に原告や被告、弁護士、検察官、傍聴人が集まるのは「3密」になりかねず、神戸地裁の本庁や各支部は刑事・民事裁判の開廷日の多くを延期し、傍聴席の数も制限している。公開の裁判が終日ない日もあった。弁護士は「命が大事」としつつも、裁判の長期化を懸念する。(村上晃宏)

 「使用不可」。神戸地裁本庁(神戸市中央区)の傍聴席に張られた紙。感染拡大防止のため、席の間隔を空ける対策が始まったのは3月12日からだが、運用を終える時期は未定のままだ。どの法廷も座れる席は3分の1程度に減り、関心の高い裁判では傍聴人が入りきれない事態も起きた。

 そして4月、神戸地裁は緊急事態宣言を受け、同9日~5月1日に本庁や各支部などで予定されていた裁判を原則延期に。ドメスティックバイオレンス(DV)を巡る民事訴訟など緊急性の高い場合を除き、多くの期日を取り消した。

 その日に開廷される裁判が分かる「開廷表」に載る事件数はめっきり減り、期間中に公開の裁判がない日は計4日に上った。宣言延長で、5月29日までに開く予定だった裁判も同様の措置を取ることになった。

 こうした中、裁判の長期化を懸念する声も上がる。

 神戸地裁では4月14日、神戸製鋼所が神戸市灘区で進める石炭火力発電所の増設計画について、周辺住民ら40人が建設と稼働の差し止めを求める訴訟の口頭弁論が開かれる予定だった。だが原告側弁護団は同2日、延期を求める上申書を神戸地裁に提出し、認められた。

 原告側代理人の杉田峻介弁護士は「高齢の原告が多く、リスクが高い」と理由を説明。一方で「差し止めを求める訴訟なので、本来なら裁判を早く進行してほしいのだが…」と懸念する。

 争点を詰める進行協議は電話会議やウェブ会議を活用する予定だ。だが、訴訟内容は社会的関心が高いため「双方の主張は公開の場で行われるべきだ」と話す。

 「刑事裁判で長期化すれば身体拘束されている被告の負担は大きい」と指摘するのは、兵庫県弁護士会副会長の韓(ハン)検治弁護士。

 憲法37条は、刑事事件の被告に迅速な公開裁判を受ける権利を保障している。だが、公判日程が長引けばその根底を揺るがしかねない。韓弁護士は「できる限り保釈を認め、そもそも拘束せずに在宅事件として取り扱うことも考えるべきだ」と話す。

2020/5/11
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