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コロナ禍を経験し「今まで、自分がしたいことをしていた幸せを実感している」という藤田佳代さん=神戸市東灘区(撮影・吉田敦史)
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コロナ禍を経験し「今まで、自分がしたいことをしていた幸せを実感している」という藤田佳代さん=神戸市東灘区(撮影・吉田敦史)

コロナ禍を経験し「今まで、自分がしたいことをしていた幸せを実感している」という藤田佳代さん=神戸市東灘区(撮影・吉田敦史)

コロナ禍を経験し「今まで、自分がしたいことをしていた幸せを実感している」という藤田佳代さん=神戸市東灘区(撮影・吉田敦史)

災害時とは違うジレンマ

 肉体を使って表現する者にとって「動くな」と言われるのは死活問題-。そう話すのは神戸を拠点に40年にわたりモダンダンスの創作・普及に取り組んできた藤田佳代さん。主宰する舞踊研究所は活動休止、予定していた公演も中止になった。「踊ることが罪悪のような今の空気に、これまで味わったことのない恐怖を感じている」という。

1980年には知的障害のある子どもを対象にした児童対象のリズムクラスを開講。子どもから大人まで、踊りを通じて表現する楽しさを伝えてきた。

 子どもたちは毎回のレッスンを本当に楽しみにしていました。緊急事態宣言による県からの自粛要請が出るまでは、人数を減らして間隔を空け、15分に一度、窓を開け放って換気し、続けていましたが、それもできなくなりました。仕方ないのですが、練習を中断すると、それまで身体的に習得したことだけでなく、「もっと上達したい、続けたい」というモチベーションが下がってしまいます。

 大人も同じ。「世の中がこんなに大変なのに踊りなんかやっていていいのか」と後ろめたさを感じ、踊りたい気持ちを押し殺して今はみんな我慢している。自粛が解除されたとしても、一度下がったテンションを急に上げるのは難しい。

3月14日に予定していた公演「創作実験劇場」はいったん5月に延期したが結局、中止に。直近では7月に所属ダンサーのリサイタルが決まっているが、それも開けるのかどうか、先が見通せない。

 阪神・淡路大震災、東日本大震災の後は、劇場が使えなくても、被災地に出向き、学校や公民館などで踊りを披露しましたが、今度はそれができない。災害の時とは全く違うジレンマを抱えています。

 多くのアーティストがユーチューブなどを使って作品を披露しています。日頃、劇場に足を運ばないような人にも見てもらい、ダンスファンの裾野を広げるチャンスだとは思います。でも、ダンサーとして、それが本当にしたいことかというと、違う。たとえ狭い空間でも、ダンサーは、毎日、体を動かし、コンディションを整えています。コロナ後の社会を見据え、何が表現できるのか、思索を続けます。(片岡達美)

【ふじた・かよ】1942年中国・大連市生まれ。神戸大文学部卒。ロンドン、ロサンゼルス留学、法喜(ほうき)聖二舞踊研究所を経て78年藤田佳代舞踊研究所を設立。2008年神戸市文化賞、13年兵庫県文化賞など受賞多数。

2020/5/16
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