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ガイドヘルパー(右)の肘を借りて歩く全盲の福井照久さん=神戸市中央区
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ガイドヘルパー(右)の肘を借りて歩く全盲の福井照久さん=神戸市中央区

ガイドヘルパー(右)の肘を借りて歩く全盲の福井照久さん=神戸市中央区

ガイドヘルパー(右)の肘を借りて歩く全盲の福井照久さん=神戸市中央区

 他人と一定の距離を取るソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の習慣が広まる中、重度の視覚障害のある人たちが苦境に置かれている。一人で外出が困難な人が利用する「同行援護」はガイドヘルパーの体につかまるため、接近や接触が避けられない。新型コロナウイルスの感染拡大後は「不要不急の場合」の利用は制限され、最低限の買い物や通院さえ極力控える人もおり、「コロナ後の『新しい日常』はどうなるのか」と不安の声が上がる。(上杉順子、佐藤健介)

 同行援護は国の法律に基づく障害福祉サービス。専門資格を持つガイドヘルパーが、障害のある人の外出時に肩や肘を貸し、目の前の段差を言葉で伝えるなど必要な情報を提供する。

 趣味の外出にも利用できるが、コロナ禍で事情が一変した。ヘルパーを派遣する神戸市視覚障害者福祉協会(神戸市中央区)や兵庫県視覚障害者福祉協会(同)は、利用を生活維持に必要なケースに限定。ソーシャル・ディスタンスを保つのが難しく、利用者とヘルパーの双方に感染の危険が生じるためだ。活動を自粛しているヘルパーもいる。

 神戸市北区に住む全盲の男性(66)は、市視覚障害者福祉協会の会長を務める。ヘルパー派遣をやむなく制限する立場でもあるが、「白杖(はくじょう)があってもヘルパーなしに歩くのは無理」と話す。自身、利用を極力控えているが「食料調達に支障を来すし、散歩に行けず運動不足」と嘆く。

 同協会幹部の男性(71)=同市灘区=の場合、自宅近くは一人で歩けるものの「以前は『大丈夫か』とよく声を掛けられたが、最近はほとんどない」とぽつり。同協会会長も「われわれは接近が頼り。『他人には近づかんとこう』という社会になったら本当に困る」と不安を吐露する。

 日本視覚障害者団体連合(東京)が3月下旬に開設した緊急ホットラインには「通院で外出が必要だが、(ヘルパーを派遣する)事業所に『コロナが収まったら』と言われ、応じてもらえない」といった相談も寄せられたという。

 同連合は4月、ヘルパー単独での買い物代行や、ヘルパーが車で一緒に通院した場合の運転も同行援護と認め、制度で定められた報酬を支給するよう、国へ要望した。ヘルパー単独の買い物代行や薬の受け取りの代行は特例で認められたが、運転は対象外のまま。同連合は「公共交通機関が少ない地域もある。要望を続けていく」としている。

2020/6/8
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