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新型コロナの感染力の強さを指摘する富井啓介副院長=神戸市中央区港島南町2(撮影・吉田敦史)
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新型コロナの感染力の強さを指摘する富井啓介副院長=神戸市中央区港島南町2(撮影・吉田敦史)

新型コロナの感染力の強さを指摘する富井啓介副院長=神戸市中央区港島南町2(撮影・吉田敦史)

新型コロナの感染力の強さを指摘する富井啓介副院長=神戸市中央区港島南町2(撮影・吉田敦史)

 神戸市唯一の感染症指定医療機関である市立医療センター中央市民病院には、新型コロナウイルス患者が次々と運び込まれた。逼迫(ひっぱく)する重症者病床、広がる院内感染…。医療崩壊の瀬戸際で、何を学んだのか。富井啓介副院長(感染管理担当)は「感染力が違う。機能を落とさずにコロナ対応と通常医療を両立するのは無理」と話す。

 -2009年の新型インフルエンザに準じた体制で新型コロナに対応した。

 「国内初の新型インフル患者が当院に搬送されてきたのは、呼吸器内科部長になった年だった。瞬く間に多くの患者が押し寄せ、感染症病棟では足りなくなった。新型コロナは、その経験を踏まえた対応を考えていたが、当初はクラスター(感染者集団)絡みの患者がぽつぽつと来るぐらいで全く様相が違った」

 「新型インフルのときはタミフルなど治療薬があったが、新型コロナはない。重症化して集中治療室に行く人も多く、入院期間が長かった。重症患者にアビガンも投与したが、基本的に免疫力で治るのを待つしかない。新規患者が多くなくても、重症者病床がどんどん埋まっていった」

 -新型コロナの特徴は。

 「通常は薬などで治療するため、入院直後の状態が最も悪いことが多い。一方新型コロナは、入院時は元気でも、数日後に突然集中治療室に移すほど重症化する場合がある。ある患者は、朝方は少し酸素が要るかな、という程度だったのが、夕方には人工呼吸管理が必要な状態になっていた」

 「症状がなくても感染させるなんて、夢にも思っていなかった。また、飛沫(ひまつ)感染と言いながら、エーロゾル(微粒子)は空気に近い動きをする。無症状者が会話しただけで感染するというのは、インフルエンザなどでは聞いたことがない」

 -院内感染が発生した。

 「感染症病床を拡大するため、別病棟に移そうとしていたほかの病気の患者から陽性者が出たのは衝撃だった。陰圧個室で管理していたコロナ患者と直接接触した可能性はなく、ウイルスの介在者がいることが予想された。病院中に広まることを恐れ、関係職員を全員自宅待機にした」

 「9割を超える病床稼働率で動いている病院なので、すぐに移動させることができず、病棟全部をコロナ対応にできていなかった。職員が1日にコロナ患者と一般患者の両方をみることは避けていたが、勤務シフトによっては日を替えて両方みていた職員もいた」

 -秋までに駐車場にコロナ専用病棟ができる。

 「コロナ対応と通常医療をする場所、そしてそれぞれを担う医療者を、厳格に分けなければならない。感染者の発生に備え、患者がほとんどいない状態でもコロナ病棟に職員を配置しなければならないなら、中央市民病院だけでは運営が極めて難しい。発生時に職員を出すことにすれば、中央市民の高度先進医療が制限されることになる」(聞き手・霍見真一郎)

2020/6/18
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