連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

ニュース

  • 印刷
「誹謗中傷は絶対あってはならない」と語る藤原のり子看護部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・鈴木雅之)
拡大

「誹謗中傷は絶対あってはならない」と語る藤原のり子看護部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・鈴木雅之)

「誹謗中傷は絶対あってはならない」と語る藤原のり子看護部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・鈴木雅之)

「誹謗中傷は絶対あってはならない」と語る藤原のり子看護部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・鈴木雅之)

 神戸市立医療センター中央市民病院には、約千人の看護師が勤務している。感染症指定医療機関の同病院は、新型コロナウイルスの重症患者が当初の見込み以上に運び込まれ、態勢を見直しながら対応してきた。院内感染や誹謗(ひぼう)中傷にさらされながらも、患者を最も近くで見守り続ける看護師たち。藤原のり子看護部長は「重症患者のわずかな症状の変化を捉えることができるスペシャリストを一人でも増やすよう取り組んでいる」と話す。

 -神戸市内で感染者が初確認される3月3日まではどう準備していたのか。

 「正月に中国・武漢で感染が急速に広まっていることを知ったとき、当院にも絶対コロナ患者が来ると思った。神戸は中国と人の交流が多い。受け入れ時に看護師を絶対感染させないため、1月10日に防護具着脱のDVDを作成し、院内で訓練を始めた。2月上旬からマスクなど防護具の調達にも力を入れたが、徐々に販売制限が強まった」

 「武漢の映像を見る限り、軽症者が多い印象だった。11年前の新型インフルエンザの経験も踏まえ、中等度までのコロナ患者を45人まで引き受け、重症者は集中治療室で数人程度という想定だった」

 -だが、様子が違った。

 「重症度が思った以上に高かった。重症者中心の看護体制に思考を変えていった。救急部門で受け入れる重症患者の病床を増やし、別の集中治療室にいた看護師を応援に出した」

 「3月末にはマスクが購入できなくなり、全医療職員1日1枚に制限した。苦渋の決断。その後、あらゆるところから調達を試み、支援も多くいただいた。さまざまな防護具を、手順書を手作りして使った」

 -院内感染が発生し職員間で混乱もあったと聞く。

 「何が起こったのか、情報を整理し、感染の連鎖を断ち切るのに精いっぱいで、院内の情報伝達が遅れがちになっていた。どこまで感染が広がるか恐怖を抱く人も多かった。そこで、会議での決定事項をメールと郵送で伝えるようにした」

 「誹謗中傷は続いている。(涙ぐみながら)学校が再開し、ほかの保護者から『中央市民の看護師ですよね』と聞かれた人もいた。きっと『あなたの子どもと一緒に遊ばせない』という意図があるのだろう。一方で、小中学生がくれた応援メッセージが通路に張り出され、感動して泣いている看護師もいた」

 -第2波への備えは。

 「重症の場合、普段だったらほとんどそばにいるが、感染予防のため、少し離れて見守る時間も必要だった。状況に合わせて瞬時にやりたいケアが十分できないジレンマもあり、現在、制限の中で何を看護で大事にするか議論している」(聞き手・霍見真一郎)

2020/6/19
1  2  3  4  5  >

天気(8月9日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 20%

  • 37℃
  • ---℃
  • 20%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

  • 36℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ