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「医療崩壊があるとすれば、通常救急患者のたらい回しが起こったとき」と話す有吉孝一救急部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・鈴木雅之)
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「医療崩壊があるとすれば、通常救急患者のたらい回しが起こったとき」と話す有吉孝一救急部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・鈴木雅之)

「医療崩壊があるとすれば、通常救急患者のたらい回しが起こったとき」と話す有吉孝一救急部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・鈴木雅之)

「医療崩壊があるとすれば、通常救急患者のたらい回しが起こったとき」と話す有吉孝一救急部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・鈴木雅之)

 厚生労働省の救命救急センターの評価で、6年連続全国1位を獲得している神戸市立医療センター中央市民病院が、新型コロナウイルスの影響を受け通常救急を一時的に止めた。平時は「断らない救急」を掲げる同病院だが、コロナ患者に特化して受け入れを続けた。有吉孝一救急部長は「4月下旬には人工呼吸器を7台同時に使っていた日もあった」と振り返る。

 -当初コロナ患者対応は、病棟全体での管理ではなく、個室での管理だった。

 「空気感染ではなく飛沫(ひまつ)感染だから、必ず陰圧室でなければいけないとは考えていなかった。それでも心臓疾患などの重症者をみる6室の陰圧化工事を3月上旬に行った。当初は重症コロナ患者をそこに入れ、集中治療室を通常救急に使った」

 「軽症者は上階の感染症病棟で対応し、重症者はその個室で受け入れを考えていたが、重症者があふれそうになったので、3月31日に救命救急センター全体をレッドゾーン(汚染区域)にした。重症者の多くは1カ月以上入院していた。退院まで2カ月以上かかった人もいた」

 -病院間の協議で、中央市民は重症コロナ、他の病院はコロナ以外の救急、とすみ分ける方針があった。

 「横浜のクルーズ船対応で、地元の救急体制が逼迫(ひっぱく)したと聞いた。他病院の院内感染リスクを下げ、医療崩壊を防ぐためにも、通常救急はほかに任せ、コロナを集中的に受け入れた。ところが、その当院で院内感染が起こってしまった」

 「命の危険がある患者をみる3次救急を止めるのは、当院の歴史で初。恥ずかしいことだと思ったが、迷いはなかった。院内感染で大量の職員が自宅待機になる中、重症コロナ患者に特化するしかなかった」

 -有効な薬がない中、重症者の治療はどのように。

 「基本的に人工呼吸器で肺の機能が回復するのを待った。筋弛緩(しかん)剤や鎮静剤を使うなどして自発呼吸を緩めるが、呼吸筋が衰えすぎるといけないので、微妙な調節が難しい」

 「血圧や血糖値、持病への対応も求められるし、感染リスクがある痰(たん)の吸引もしなければならなかった。当院には人工心肺装置『ECMO(エクモ)』もあるが、適用条件に当てはまる患者はまだ出ていない」

 -建設される重症者用の臨時病棟は希望となるか。

 「(長考した上で)明確に場所を分けることができるため、通常救急と両立できる期待は持っている。だが、単純にスタッフを振り分けるとすれば、コロナと通常医療、どちらかを犠牲にせざるをえなくなる。第2波で、もし今回以上の流行が起こってしまったら、中央市民病院は、やはりコロナ対応に特化しないといけないのかもしれない」

(聞き手・霍見真一郎)

2020/6/20
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