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恐怖と闘い、命を救う現場の緊迫感を語った瀬尾龍太郎・救急部副部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・秋山亮太)
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恐怖と闘い、命を救う現場の緊迫感を語った瀬尾龍太郎・救急部副部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・秋山亮太)

恐怖と闘い、命を救う現場の緊迫感を語った瀬尾龍太郎・救急部副部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・秋山亮太)

恐怖と闘い、命を救う現場の緊迫感を語った瀬尾龍太郎・救急部副部長=神戸市中央区港島南町2(撮影・秋山亮太)

 新型コロナウイルスの重症者を担った神戸市立医療センター中央市民病院は、万全な条件とは言えない中、感染対策に細心の注意を払った。急速に悪化する多くの患者と向き合い、スタッフは次第に疲弊。一時、組織に混乱もあったが、瀬尾龍太郎救急部副部長は「乗り越えようとスタッフに一体感が出た」と語った。

 -集中治療室で重症者の対応を指揮した。新型コロナにどう相対したか。

 「私たちが感染し、周りへ伝播(でんぱ)してしまうかもしれない恐怖を、みんなで克服しようとした。3月上旬の最初の患者は、幸い約1週間で重篤な状態を脱し、回復の経過を共有できた」

 「普通は患者が困ればすぐ診療する。だが、コロナ患者には個人防護具を正しく着けなければならず、すぐ対応できない。(医療者と患者の間に)空間的、時間的隔たりがあった」

 -防護具は足りたか。

 「患者が増え、防護具を着っ放しで対応するようになった。普段はマスクを1日に何度も取り換えるが、延長して使うようになり、その後、外して再び着けることに。そこにウイルスが付いているかもしれない不安に陥った」

 「院内の仕組みが変わっても、その理由が現場へ即時に伝わらない状況が一時あった。職員は猜疑(さいぎ)心や不満から気持ちの悪循環に陥り、管理者との間に心理的分断が少なからずあった。(負担が増え)『なんで私たちを守ってくれないのか』と思う人もいた」

 -4月上旬、院内感染が起きた。

 「(職員の)不満が募ったピークのタイミングだった。看護師のミーティングに参加して『体調が悪いことをだめだと思わないで』『大変だと思ったら何でも共有を』と伝え、看護師が標語のように張り出した」

 「レッドゾーン(汚染区域)だったスタッフステーションは仕切りをして、グリーンゾーン(非汚染区域)に変えた。最終的に悲愴(ひそう)感が漂う職場ではなく、乗り越えようという一体感が出たのでは。働く医療者のストレスをどれだけ減らすか、今までの医師人生の中で一番考えた」

 -コロナの怖さとは。

 「1日たたないうちに命が危なくなるぐらい、肺が悪くなるスピードがものすごく速かった。一方、回復までの期間が非常に長い。1カ月以上、人工呼吸器が必要な人もいた」

 -重視したことは。

 「普段通りの医療。コロナ対応もルーティンワーク化した。致死率が外国に比べて低いのは、全国で普段通りの医療ができたことに尽きるのでは」

 -未曽有の経験で得られたものとは。

 「支えられていること。近隣の医療機関が救急を受け入れてくれ、院内の保育園も運営を続けてくれた」

(聞き手・井川朋宏)

2020/6/23
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