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手術の原則停止という決断と院内の影響について語った高橋豊副院長=神戸市中央区港島南町2(撮影・秋山亮太)
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手術の原則停止という決断と院内の影響について語った高橋豊副院長=神戸市中央区港島南町2(撮影・秋山亮太)

手術の原則停止という決断と院内の影響について語った高橋豊副院長=神戸市中央区港島南町2(撮影・秋山亮太)

手術の原則停止という決断と院内の影響について語った高橋豊副院長=神戸市中央区港島南町2(撮影・秋山亮太)

 高度な医療を提供する神戸市立医療センター中央市民病院は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、その機能の一部が制限されていた。院内感染の発生もあり、手術は5月上旬まで1カ月近く、原則停止に。手術・救急担当の高橋豊副院長は「決断は苦しかったが、コロナ対応や手術再開の準備で立ち上がる有志がいて、涙が出る思いだった」と振り返る。

 -院内の対策本部会議で3月末、手術の3割減を決めた。反対意見は。

 「コロナ前は、手術の予定が先まで埋まっていて、みんなそれに慣れていた。外科の医師が手術できないと、仕事そのものがなくなってしまう。『うちだけにしかできない手術があり、患者が命を落とす可能性がある』と言う医師もいた」

 「だが、大変な術後管理まで責任を持つ必要があり、安全を考えてやめた方がいいと説得した。院内感染が起きた4月上旬、反対意見はなくなった」

 -一部を除き、手術は1カ月近く停止した。

 「手術を急ぐ患者には、実績のある医療機関を紹介する必要があった。当院の手術を結構待ってもらった患者もいた」

 -コロナ患者を2週間診療し、2週間自宅待機するチームを編成した。

 「若手中心に、チームに入る外科系の医師が10人程度いた。本当に感心し、医療人としてうれしかった」

 -コロナ患者を手術した事例があったのか。

 「肺炎を患った妊婦に対し、帝王切開をした。若いから大丈夫だったが、早く処置しないといけないと感じるほど状況が悪かった。感染症患者専用で、唯一陰圧設備のある手術室を使い、重装備で行った。子どもは無事生まれた。感染者以外の妊婦も、帝王切開はやっていた」

 「頭を悩ませたのは、感染が『グレー』の患者。発熱や肺炎疑いがあれば、ほかですべて断られているので、個々に判断して感染している前提で5人(後に陰性確認)の手術をした」

 -術前のPCR検査を実施した上で、5月11日から手術を一部再開した。

 「再開に向け、外科系の医師がマニュアルをつくっていて、夜中の間中メールが行き来していた。対象者には術前の2週間は自宅待機を強くお願いしていた」

 「PCR検査の検体採取は、耳鼻咽喉科の医師が『僕らが一番得意だからやりますよ』と買って出てくれて、助かった」

 -6月3日から手術件数を拡大した。

 「まだ通常時の半数程度、紹介を敬遠されるケースがあるのかもしれない」

 「今回の経験を踏まえ、第2波、3波が来た時は、われわれがより安全に手術できるのではないか。ほかの病院に向け、『これは気を付けた方が良い』という示唆ができればいい」

(聞き手・井川朋宏)

=おわり=

2020/6/24
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