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「今、何ができるか。考えながら前進していきたい」と話す内藤里美さん=神戸市中央区
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「今、何ができるか。考えながら前進していきたい」と話す内藤里美さん=神戸市中央区

「今、何ができるか。考えながら前進していきたい」と話す内藤里美さん=神戸市中央区

「今、何ができるか。考えながら前進していきたい」と話す内藤里美さん=神戸市中央区

■小規模編成の演奏会に活路

 新型コロナの第1波が山を越え、音楽公演も再開を模索するが、集団で歌う合唱は、飛沫予防の観点から、まだ合同練習すらままならない。神戸市民文化振興財団が運営し、昨年、30周年を迎えた「神戸市混声合唱団」(同市中央区)も苦悩を抱える。同団コンサートミストレスでソプラノ歌手の内藤里美さんは「小規模の公演から再開できれば」と目標を定める。

 合唱団は3月に定期演奏会を予定していたが、2月末に活動休止を決定。実績のある団員はソロでも活動するが、その公演も延期、中止が相次いだ。約40人の団員は、先行きの見えない不安に包まれた。

 それぞれ目標にする公演があり、それに向けて練習し、体調を整えていきます。私も10月のオペラ公演に備えてきました。中止と聞いた時は、無力感に襲われました。

 オーケストラは感染予防に配慮しながら公演を再開しつつありますが、合唱との協演はまだ難しい。歌う時はかなり激しく息を吸って吐くため、飛沫は避けられません。仕方がないのですが、歌うこと自体に、これほど肩身の狭い思いをしたことはありません。

 同混声合唱団が活動を中断するのは阪神・淡路大震災以来2回目。震災では団員が被災し、練習場所の神戸文化ホールが避難所となった。本格的な活動再開は、避難所での被災者激励コンサートだった。

 震災の時は中学2年生で、伊丹市の自宅は半壊、そのときの混乱は鮮明に覚えています。2003年に合唱団に入団し、先輩から当時の避難所訪問の話を聞きました。被災地での活動は合唱団の重要な使命と考えてきました。

 私も東日本大震災の後には、仙台市内の小学校を訪ねました。同じ被災地からの訪問に子どもたちはとても喜んでくれ、お礼の歌を歌ってくれました。情感がこもった歌声に言葉にはできない音楽の力を実感し、涙が出ました。

 今回も生の歌声を届けたい。でも今回は、人の移動や集まることが制限され、全く活動できません。とても歯がゆい気持ちです。

 神戸市混声合唱団は6月末から週1回の練習を再開する。

 再開を前にフェースシールドを着けての発声も試してみましたが、自分の声がはね返って、こもります。呼吸も苦しい。着用しての公演は現実的とは思えません。

 飛沫予防を考えると、小規模編成の合唱からの再開になるでしょう。幸い、私たちは被災地訪問、市内の小学校の出張演奏など、小人数での活動実績があります。団員からは屋外公演などのアイデアも出ています。今、できる最善のことを考えながら一歩ずつ進みたいです。(津谷治英)

【ないとう・さとみ】伊丹市出身。県立西宮高校音楽科、大阪音楽大学卒業後、同大大学院オペラ研究室修了。シュナイダー・トルナフスキー国際声楽コンクール3位(一般部門)、松方ホール音楽賞入賞など受賞多数。

2020/6/30
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