連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

ニュース

  • 印刷
竹田城跡に最も近い観光施設「山城の郷」。土産物の箱菓子を手に取る人は少ない=朝来市和田山町殿
拡大

竹田城跡に最も近い観光施設「山城の郷」。土産物の箱菓子を手に取る人は少ない=朝来市和田山町殿

竹田城跡に最も近い観光施設「山城の郷」。土産物の箱菓子を手に取る人は少ない=朝来市和田山町殿

竹田城跡に最も近い観光施設「山城の郷」。土産物の箱菓子を手に取る人は少ない=朝来市和田山町殿

 “天空の城”として知られる国史跡・竹田城跡(兵庫県朝来市)。8月下旬の週末、麓の観光施設「山城の郷」の第2駐車場は空のままだった。

 例年は施設前の第1駐車場が埋まり、第2もマイカーであふれるが、かつての繁盛は見る影もない。新型コロナウイルス第1波で、施設は城跡の閉山に合わせて4月10日から臨時休業した後、5月29日から再開。城跡は「3密」を回避できる手軽な観光地として認知され、8月の登城者は前年の80%まで回復したが、観光客の買い物には変化が生まれていた。

 「土産物の箱菓子がさっぱり売れない」と、施設のサブマネジャー森脇千鶴さん。「友達に『行ってきたよ』と渡せる空気じゃないんですよね」

 売れるのは自宅用のつくだ煮やふりかけくらい。地酒は1本売れても、2本は買ってくれない。「コロナをもらって帰ってきたと思われたくないんでしょう」と森脇さん。最盛期の雲海シーズンを前に、高揚感はない。

     ◆

 年初から、記録的な雪不足で大打撃を受けていた但馬の観光。大型連休を頼みの綱に、土産物の販売業者は3月末ごろから大量の発注を掛けた。4月、コロナ第1波が来た。

 兵庫県新温泉町で「もさえびせんべい」を販売する「赤坂文殊庵」は、数百万円で発注した商品の卸先がなくなった。賞味期限が迫った商品を回収し、地元住民に割安でセット販売したが、それでも5月の売り上げは8割減った。

 6月、県内で第1波が収束し、7月には政府の観光支援事業「Go To トラベル」の開始もあって、観光再開の機運が高まる。3年前の秋にオープンした同町の道の駅「浜坂の郷」では地場の野菜などが好調で、前年並みの売り上げをたたき出した。

 だが、8月1日を境に客足が途絶える。この日、同町にある新日本海新聞但馬支社の社員と記者の感染が発表されていた。人出が戻るまで2週間かかった。

 「1日先が読めない」と駅長の中井洋祐さん(49)。「今は耐えるしかない」と自らに言い聞かせるように話した。

     ◆

 4月初旬から5月末にかけて、ほとんどの旅館が休業した有馬温泉(神戸市北区)。銘菓「炭酸せんべい」を製造販売する「三ツ森」も、大量の在庫を抱えた。窮地を救ったのは、会員制交流サイト(SNS)だった。

 4月下旬、常務取締役の弓削次郎さん(48)が「ツイッター」で協力を募ると、かつて有馬の盛り上げに関わったことのある元大学生たちが反応。情報は瞬く間に拡散し、在庫は全て売り切れた。6月以降、店にも徐々に人が戻った。

 「人とすれ違うのがこんなにうれしいとは」と弓削さん。和菓子部門を縮小するなど厳しい状況に変わりはないが、ピザやミルフィーユなど社員が考案した炭酸せんべいレシピをSNSで発信するなどし、巻き返しを図る。(竹本拓也)

2020/9/8
1  2  3  4  5  >

天気(10月31日)

  • 20℃
  • 12℃
  • 10%

  • 19℃
  • 9℃
  • 10%

  • 21℃
  • 10℃
  • 0%

  • 21℃
  • 9℃
  • 10%

お知らせ