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「兵庫は危機的状況の入り口」と強調する、神戸大病院の宮良高維感染制御部長=神戸市中央区楠町7
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「兵庫は危機的状況の入り口」と強調する、神戸大病院の宮良高維感染制御部長=神戸市中央区楠町7

「兵庫は危機的状況の入り口」と強調する、神戸大病院の宮良高維感染制御部長=神戸市中央区楠町7

「兵庫は危機的状況の入り口」と強調する、神戸大病院の宮良高維感染制御部長=神戸市中央区楠町7

 11月下旬に入り、兵庫県で新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数が急増している。26日には184人で過去最多を更新。29日も111人が判明し、4日連続で100人を超えた。県の新型コロナ感染症対策協議会の有識者委員を務める神戸大病院(神戸市中央区)の宮良高維(みやらたかゆき)・感染制御部長は、冬場は救急需要が例年高まることも踏まえ、兵庫の医療体制を「危機的状況の入り口」と指摘。「年明けの1月初旬が焦点」とし、「最悪、1日数百人の感染が確認される事態になるかもしれない」と危機感を強める。

 -4月のインタビューで「県内の感染が連日100人を超えると危険」と言っていたが、現実になった。

 「当時と認識は変わらない。兵庫はこれまでで最も危険な状況だ。一定の比率で感染者が重症になるのは間違いなく、重症化しやすい70代以上の死亡率は、国立感染症研究所の8月1カ月間のデータで8・1%に上る。これだけ高齢者の致死率が高い感染症はほとんど聞いたことがない」

 「秋から増えるとは思っていたが、私の予測より1カ月ほど早い。インフルエンザより伝染力が強いという一部報告が事実なのだろう。感染症は人口密度や人の流れの強さに比例して伝播(でんぱ)する。県内の感染は、大阪に隣接し、通勤・通学や買い物など往来が多いところから広がっている。数字上は感染者数が多くない自治体でも、人口比を加味すると、その傾向は顕著だ」

 -県の井戸敏三知事は今月15日、重症者への対応を強化するため、県立加古川医療センター(加古川市)に感染者専用の臨時病棟を整備する方針を示した。

 「臨時病棟は、(新型コロナ以外の患者との)動線分離としては必要な対策だが、スタッフを確保するため、一般診療の縮小などが必要となるかもしれない」

 -さらなる感染拡大を食い止めるために、われわれ市民が意識すべきことは。

 「観光支援事業『Go To トラベル』は、経済活性化では必要だったのかもしれないが、感染拡大のリスクをはらんでいたと考えられる。感染者が多い北海道や関東、医療施設が少ない沖縄の離島などへの旅行には慎重になるべきだ。もし年末年始に帰省や旅行をする場合は、現地の感染状況や医療体制を確認しておく方がいい」

 「飲食する場で感染が多いことは、厚生労働省などのクラスター(感染者集団)解析で分かっている。街中にも無症状や軽症の感染者が増えていると考えられ、市民の感染に対する意識を変えなければならない」

 -コロナ治療や検査は、どの程度進歩したのか。

 「特定の抗ウイルス薬とステロイド薬を組み合わせることで、ある程度の効果があることが知見として集まりつつある。特効薬までの道のりを山に例えるなら4合目くらいだろうか。ただ、治癒後も倦怠(けんたい)感や頭痛などが長期間続くという報告もあり、後遺症についてはまだ不明な点が多い」

 「PCR検査を予防的に活用する話が一部で上がっているが、仮に陰性確認されても検査当日に限ったことであり、しかも検査は100%の精度ではないため『予防』には適さない。検査は、症状が出た人や濃厚接触者に限るべきだ」

 -これからの冬場に懸念されることは。

 「湿度が下がり、ウイルスを含むエーロゾル(微粒子)が長時間浮遊しやすくなる。年明けの1月初旬が焦点だ。最悪の場合、県内で1日数百人の感染が確認される事態になるかもしれない。例年でも冬場は心筋梗塞や脳梗塞、肺炎が増える。コロナの超過需要が上乗せされ、医療体制が逼迫(ひっぱく)する可能性が格段に高い」

(聞き手・霍見真一郎)

2020/11/30
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