連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

ニュース

  • 印刷
2次被害を食い止めるために作られた神戸市の啓発ポスター=神戸市役所 長谷和久・神戸学院大学講師
拡大

2次被害を食い止めるために作られた神戸市の啓発ポスター=神戸市役所

長谷和久・神戸学院大学講師

  • 2次被害を食い止めるために作られた神戸市の啓発ポスター=神戸市役所
  • 長谷和久・神戸学院大学講師

2次被害を食い止めるために作られた神戸市の啓発ポスター=神戸市役所 長谷和久・神戸学院大学講師

2次被害を食い止めるために作られた神戸市の啓発ポスター=神戸市役所

長谷和久・神戸学院大学講師

  • 2次被害を食い止めるために作られた神戸市の啓発ポスター=神戸市役所
  • 長谷和久・神戸学院大学講師

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、感染者やその周囲の人がデマなどの2次被害に苦しめられている。「思いやりを持って」といった呼び掛けに共感する人たちが、感染経路などに関する真偽不明の情報を悪意なく流してしまう。その結果、感染者と地域社会の間に亀裂をつくっている。(高田康夫)

 都市部に比べ、普段から人間関係が深い郡部では、行政が公表していないにもかかわらず、感染者や感染経路を特定したかのような情報が飛び交う。これまでは口コミでしか広まらなかったが、現在は会員制交流サイト(SNS)で瞬時に拡散される。

 兵庫県内にある人口5万人規模の都市。飲食店で働く20代男性は、その市域で初の感染者になった。

 以前に隣接地域で感染者が出た際は「嫌がらせで住めなくなったらしい」「感染者の関係者が働いていた店が消毒のため休業している」などのうわさが広まった。「いじめのような扱い」と感じていた男性は、自身の感染が判明したとき、「この地域で生活できなくなるんじゃないか」と不安だったという。

 1週間ほど入院し、その後の1週間は自宅療養。外部とはほとんどやりとりをしなかったが、その間に「風俗店に行って感染した」とのデマが飛び交っていたのを、後で知った。

 男性は風俗店に行っていないし、感染経路は本人にも分からない。男性は「心配していたほどの嫌がらせはなかったが、そんなデマを聞いて落ち込んだ」と振り返る。

 山間部にある別の地区では、11月に感染者が急増。自治会長の男性(67)によると、地域住民は誰が感染したかを知っている状況で、住民からごみ出し後の清掃に不安の声が上がり、手渡しする回覧板も中止した。地区外の人からは「そっち(地区内)のスーパーには行かない」などと言われるようになった。

 住民らに広がる情報には「感染した人が亡くなった」「地域の病院でクラスターが出た」など誤った情報も多いという。

 感染者の家族とやりとりをしている男性は「保健所から仕事復帰が認められたのに、どんなうわさが流されているのか疑心暗鬼になり、家に閉じこもってしまう人もいる」と語った。

■人の心理知り、情報見極めて 長谷和久・神戸学院大学講師(社会心理学)

 新型コロナに感染した人を攻撃する人の行動は説明しやすい。人は自分の行動の原因を外部に求める一方、他人の行動の原因はその人の内面に求めがちになる。誰もが感染リスクがあるのに、感染した人に「運が悪かった」とは思わず、「出歩いていたから自業自得」「いいかげんな人」などと考えてしまう。

 また、「感染したのは悪いことをしていたから」「自分は悪い行動をしないから大丈夫」と思い込むことで、感染者と自分の間に壁をつくり、心の安定を図ろうとする。このような人間心理の特徴が感染症差別や偏見の背景にある。

 差別や偏見による2次被害を食い止めるには、まずは人間がそういった心の特徴を持っていることを知ることが必要だ。感染者の情報が入ってきたときに「いいかげんな人」「自業自得」などと思うことは自然な心の動き。ただ、感じたことをそのまま話さず、立ち止まり、相手の立場に立って考えてほしい。コロナは誰もが不安。不安だからこそ、不確かな情報に左右されないことが重要だ。

【特集】目で見る兵庫県内の感染状況

2020/12/29
1  2  3  4  5  >
 

天気(11月29日)

  • 15℃
  • 6℃
  • 0%

  • 15℃
  • 1℃
  • 0%

  • 16℃
  • 6℃
  • 0%

  • 16℃
  • 2℃
  • 0%

お知らせ