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「助かっても一生、人工呼吸器につながれるかもしれません」と暗に呼吸器の断念を迫られたこともあったという女性=30日午後、兵庫県内 人工呼吸器の使用に「希望する」とチェックされた本人の意思確認書
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「助かっても一生、人工呼吸器につながれるかもしれません」と暗に呼吸器の断念を迫られたこともあったという女性=30日午後、兵庫県内

人工呼吸器の使用に「希望する」とチェックされた本人の意思確認書

  • 「助かっても一生、人工呼吸器につながれるかもしれません」と暗に呼吸器の断念を迫られたこともあったという女性=30日午後、兵庫県内
  • 人工呼吸器の使用に「希望する」とチェックされた本人の意思確認書

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「助かっても一生、人工呼吸器につながれるかもしれません」と暗に呼吸器の断念を迫られたこともあったという女性=30日午後、兵庫県内

人工呼吸器の使用に「希望する」とチェックされた本人の意思確認書

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 リハビリのため大阪府内の病院に入院中だった80代の父親を、新型コロナウイルス感染により今月16日に亡くした兵庫県阪神地域の50代女性が30日、神戸新聞社の取材に応じた。重症者病床が逼迫(ひっぱく)する中、女性は人工呼吸器を父親に使うかどうか、病院側から7回も問われた。「年齢もお高い」と暗に断念を迫られたことも。「私が『要らない』と言えば、父は死ぬ。元気だった父がコロナになり、人工呼吸器を使うことはそんなに悪いのか」と声を震わせた。(霍見真一郎)

 欧米では、人工呼吸器をどの患者に優先的に使うかという議論が起きたが、日本ではこうした「順序付け」を行政は否定していた。

 女性の父は大阪府在住。認知症の妻を7年ほど介護していたが、今年3月に妻が施設に入ってからは1人暮らしだった。10月22日に軽い脳梗塞で入院したが手術の必要はなく、リハビリのため11月10日に別病院に転院。同16日に医師と面談した際は、約1カ月後に退院できるとさえ言われていた。

 同20日早朝、病院から女性に、父が発熱し、転倒したと電話が入った。医師は「誤嚥(ごえん)性肺炎による発熱で、ふらついたのだろう」と話したが、昼すぎ、同じ医師から焦った声で「検査でコロナの陽性になった」と連絡があり、再転院することに。後に病院では複数の感染者が確認された。

 人工呼吸器の使用確認が初めてあったのは翌11月21日。転院に際した意向確認との趣旨だった。本人も周囲も強く使用を希望した。

 府内の中等症以下に対応する病院に移ると、転院先の医師から再び呼吸器の確認があった。父も女性も使用を望んでいるのに、その後も病院側から何度も確認され、「(父親が)不使用を承諾した」と迫る医師も。病状は徐々に悪化し、女性も追い詰められた。「『ほかの人に譲れ』と言われているようで、電話が怖くなった。でも電話を取らないと、お父さんが死んじゃうことになる」

 12月1日、女性が「『もう使わなくてもいい』と言ってしまうかも」と漏らすと、未成年の娘が「おじいちゃんとやりたいことがある。振り袖姿を見せたいし、一緒にお酒も飲みたい」と猛反対した。その日、病院の協力で、携帯電話の画面越しに病室の父と話した。酸素マスクを着けており、聞き取れたのは「世話になった」という言葉。女性は言葉が出ず、「お父さん、お父さん」と呼び続けた。同日、重症者用の病院に再び転院した後、ようやく人工呼吸器が装着された。

 亡くなったのは12月16日。未明の電話で病院に駆け付け、やせ細った父の姿をガラス越しに見た。「お父さん来たよ、ここにいるよ」。退院してもいいはずだった日は、命日となった。

2020/12/31
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