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心臓病を患う医療的ケア児。感染時のリスクは計り知れず、早期で安全なワクチン接種が切望されている=神戸市内
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心臓病を患う医療的ケア児。感染時のリスクは計り知れず、早期で安全なワクチン接種が切望されている=神戸市内

心臓病を患う医療的ケア児。感染時のリスクは計り知れず、早期で安全なワクチン接種が切望されている=神戸市内

心臓病を患う医療的ケア児。感染時のリスクは計り知れず、早期で安全なワクチン接種が切望されている=神戸市内

 感染「第4波」が猛威を振るう中、新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、基礎疾患や精神的ハンディのある障害者やその家族らが不安を募らせている。重い病気で常時医療処置が必要だったり、パニックを起こしやすい自閉傾向にあったりと、深刻な事情を抱える。感染すれば重症化のリスクがあり、早期の円滑な接種を求める声が上がる一方、副反応への懸念も根強く、神経をとがらせている。(佐藤健介)

 「コロナになったら、あっという間に容体が悪化するだろう。ワクチンを打てる状況になったら、主治医に相談しないと」

 神戸市東灘区に住む心臓病を患う女児(10)の母親は表情を曇らせる。

 女児は常に人工呼吸器が欠かせず、肺炎などの呼吸器感染症は大敵だ。コロナの感染急拡大で医療崩壊の危機が迫っており、「この子をきちんと診てもらえるのか。命を救う順番を後回しにせず、助けてもらえるのか」と危惧する。

 政府の接種スケジュールに照らすと、女児は、65歳以上の高齢者に次ぐ、「持病がある人」のうち重症心身障害者に当たる。厚生労働省が接種の際に「注意が必要な人」と定義する心臓病患者でもある。子どもへのワクチン接種は、米国で学齢期の治験が始まるなど、有効性の確認が進む。

 母親は「安全かどうか、早く証明してほしい」とワクチンに期待しつつも、「どんな副反応があるのか分からない」と複雑そうだ。

 一方、医療福祉機関は障害者に対するワクチン接種を早めるよう求めている。

 神戸市北区の重度心身障害児者療育施設「にこにこハウス医療福祉センター」など、兵庫県内の6施設は4月下旬、早期接種を県に要望する署名活動を開始。署名の協力依頼書で「ケアの個別性が高く、環境変化への適応や付き添い者が不在での入院が困難」と訴え、施設待機や自宅療養を余儀なくされると懸念する。

 同センターの河崎洋子施設長(52)は「感染第4波では在宅障害者や家族が、周囲の支援者から相次いで感染している」と指摘。「障害者を『われ先に』と言うつもりはないが、行政は接種の優先順位を柔軟に考えるべき」と問題提起する。

 精神的にハンディがある人の家族も接種の環境を不安視する。

 「ちょっとした変化で、パニックを起こしやすいのが特性。スムーズに接種できるのか」。長男(19)に広汎性発達障害がある洲本市の女性は不安がる。

 長男はコミュニケーションが苦手で、公共の場所で長時間じっとすることが難しい。衝動的に大きな声を上げることもある。女性は「いつも通っている施設に接種を担う医療スタッフを派遣したり、発達障害者向けに特定の接種日を設けたりしてほしい」と配慮を求めている。

2021/5/17
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