神戸市の市教委支援策 教育関係者らに疑問の声も
2019/10/25 05:00
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神戸市立東須磨小学校(同市須磨区)の教員間暴行・暴言問題を受け、教育委員会の組織改革に対する支援策などを打ち出した同市。教育行政の信頼回復を目指す狙いだが、教育関係者や保護者からはその方法を疑問視する声も上がった。
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市立中学校の校長は「再発防止には、小学校と中学校の教員の人事交流で風通しのいい環境をつくったり、保護者をどんどん学校に入れて放課後の学習を充実させたりする必要がある」と注文を付ける。高校生の子どもがいる市内の母親も「現場に率先力のある管理職を投入する方が先だ」と訴えた。
一方、専門家からは教育委員会の独立性を保てるか懸念する意見が出た。
立正大の浪本勝年名誉教授(教育法)は「教育行政の独立性が重視されて教育委員会が設置された経緯を考えれば、市長部局が関与を強めるのは疑問が残る」と問題視。「市教委が自ら問題解決に当たり、専門性に基づいて本来の役割を果たすべきだ」と話した。
関西学院大法学部の北山俊哉教授(地方自治論)は、給与の差し止めを可能にする条例改正案について「例えば『君が代を歌わなかったから給与を差し止める』など、『非違行為』が拡大解釈されてしまう可能性もある。条例は全ての市職員が対象となるので、正しい運用が求められる」とした。(鈴木久仁子、太中麻美、末永陽子)