甲南市場の面影残すレンガ道 なぜここだけ? 神戸・東灘
2019/03/09 05:30
甲南市場の跡地に残ったれんが道=東灘区甲南町3
まちを取材していると、ふと気になる光景に出合うことがある。その背景を探ると、「えっ!」という理由や歴史が隠れている。天上川流域の「えっ!」を紹介する。(真鍋 愛)
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国道2号線側から、甲南本通商店街(神戸市東灘区)へ。南へ進むと、餅屋と古着店の間に幅2メートル強、約100メートルのれんが敷きの道が現れる。その西側の同商店街は石畳、東側の十二間道路はコンクリートと、異なる材質で舗装されている。なぜこの道だけれんがなの?
「甲南市場の跡地です」。新甲南市場復興株式会社の西尾静夫代表取締役(80)が教えてくれた。同商店街には、阪神・淡路大震災前まで、二つの市場(甲南、新甲南)があったという。甲南市場は1996年に解散。アーケードは撤去されたが、れんが道はそのまま残った。
西尾さんは「食料品に日用品、何でもそろう市場だった。地元婦人会と盆踊り大会を開いたときは、たくさんの親子連れでにぎわった」と、振り返る。
十二間道路の市バスのバス停は、今でも「甲南市場前」のまま。在りし市場の面影をれんが道と共に残す。