東灘の「えっ!」稼働しない天文台、一体何のため?

2019/03/25 05:30

建物の上に鎮座する天文台=東灘区深江南町5

 まちで見聞きした不思議な光景を取材し、その理由や歴史を紹介する「東灘マンスリー 甲南山河」の「えっ!」シリーズ。今回は高橋川周辺で発見した長年使われていない天文台の秘密を解き明かす。 関連ニュース 望遠鏡は「国内2番目」なのに身近な天文台 退職金投じた元教師の情熱、絶やさず半世紀 米、ローマン望遠鏡打ち上げへ 9月、暗黒物質解明目指す 日本天文遺産に「上松赤外線望遠鏡」 04年から佐用・西はりま天文台で保存「価値認められた」

 神戸大学海事科学部の建物屋上にある天文台は長年使われていない-と聞き、同大深江キャンパスに向かった。遠目で見ると立派に思えるが、本当に動かないのか調べてみた。
 天文台は2号館西棟の屋上にある。学生に聞いてみると「授業では使ったことがない」という。30年以上前から教壇に立つ内田誠・海事科学研究科長(60)を訪ねると、「天文台が稼働した事実は知らない」ときっぱり。その上で「あくまで伝え聞いた話」と断りながら、話をしてくれた。
 航海では星の位置を確認するため「その方法を受け継ぐべく、設置されたのでは」と説明。しかし、阪神高速やビル群が建ち並ぶようになり、天体観測に適さない場所になったという。
 2012年に建物を耐震化したとき撤去案もあったが、存続を願う声も多く残された。「大きさも色も光ることも、シンボルとして目立ちますからね」と内田さん。帰り道の阪神高速から、ちょうど同じ高さに銀色に光る半円の物体が確かに見えた。(西竹唯太朗)

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