平成30年度(下:その1)姫路の魅力共有・発信

2018/12/12 10:06

 人口減少社会の中で、若者がここで暮らしたい、働きたいと思えるまちの姿についてアイデアを出し合う「ひめじ創生カフェ」(姫路市主催、神戸新聞社共催)がこのほど、同市内で開かれた。夏からの議論を踏まえ、高校生10人を含む25人が5班に分かれて各テーマについてアイデアを深掘りし、最終的な提言をまとめた。姫路市は提言を今後、施策に反映していく。



若者25人が討議、提言
 姫路市が2016年3月に策定した「ひめじ創生戦略」の取り組みの一環で、同年以降毎年開催している。あいさつに立った姫路市市長公室長の髙馬豊勝氏は「人口減少は地域の活力を失わせる。市民一人一人に状況を伝え、身近なところから地方創生に取り組んでもらう一方、若者がいかに姫路にとどまってくれるかを考え、取り組んでいかなければならない。若い皆さんの感性にもとづいた率直な意見を施策に結び付けていきたい」と、開催のねらいを語った。
 本年度は第1回のカフェを8月に開く予定だったが台風で中止に。そこで、参加する予定だった人に「理想の生活スタイルの実現に向けて」のテーマでメールを通じ意見、アイデアを募った。その中から投票で上位に挙がったテーマについて10月9日にカフェを開催し、具体的なアイデアが出された。その結果を踏まえ、この日はあらためて「中心市街地活性化」「経済振興」「観光振興」「農業振興」「広報推進」の5テーマに絞って話し合った。
 カフェは、まず班ごとにメンバーの自己紹介でスタート。五つのテーマが各班に振り分けられ、そのテーマを担当する市職員から現状と課題の説明を受けた後、解決に向けたアイデア出しが始まった。30分程度で時間を区切り、各班が二つのテーマについて議論した。テーブルの上にはお茶やお菓子が並べられ、リラックスした雰囲気の中でざっくばらんに意見が出せるように整えられた。

▼A班 中心市街地、広報推進/市インスタ 店や催しと連携
 二つのテーマの討議を経て、各班のメンバーが提言を発表。A班はまず「中心市街地」のテーマについて「空き店舗活用、補助金、開業支援などの施策はあるが、あまり知られていないこととマッチングができていないことが課題」と指摘。「市が発信しているインスタグラム『my_himeji』を活用して、商業施設と連携した情報発信を行ってはどうか。また、場を提供したい人と、やってみたい人が気軽に出会えるカフェのようなマッチングの場を設けてみては」との提案がなされた。
 「広報推進」のテーマについては「姫路の良さを理解して盛り上げることが大切。店の人にイベント開催を事前に『my_himeji』で発信してもらい、姫路のイベントを探すなら『my_himeji』と認知してもらうようにする。また、駆け出しのモデル、アイドルなどの協力を得て地元の店を回り会員制交流サイト(SNS)で発信する」などのアイデアが出された。

▼B班 経済振興/起業希望者 掘り起こしを
 B班は、「経済振興」のテーマの中でも「起業家育成」に的を絞って議論。「メンバーからは起業についてリスクを感じるという意見のほか、ハードルが高く身近でないという意見も出た。まずは関心を持ってもらうため、起業をしている人との出会いの場を設けるのが良いのでは」と述べた。
 また、「中心市街地活性化」のテーマについては、「姫路城の街並みを生かしたイベントとして、忍者体験ができるコンテンツを提供してはどうか。また、若い人たちが挑戦できる場として音楽ライブができるようにしてはどうか。さまざまな経験、体験ができる場をつくっていくことが活性化につながるのでは」という意見が出された。

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