令和3年度(上)光るアイデアがまちの課題解決へ

2021/11/30 10:10

姫路市政策局 段守理事

SDGs未来都市・姫路の若者ら48人が討議

 若い世代がわがまちの課題解決策や将来像を話し合うタウンミーティング「ひめじ創生SDGsカフェ深掘り会議」(姫路市主催、神戸新聞社共催)が姫路市内で開かれた。参加したのは高校生を中心とした10代から30代の48人。「SDGs未来都市」に選ばれた姫路にふさわしい活性化策について自由に意見を出し合い、地方創生につながるアイデアをまとめた。
 姫路市は人口減少の中でまちの活力を高めるため「ひめじ創生戦略」を策定。より効果的に推進しようと2016年から「ひめじ創生カフェ」を開いており、今回が6回目。前回から名称を「ひめじ創生SDGsカフェ」と改め、国連が提唱したSDGs(持続可能な開発目標)の理念に沿ってアイデアを創出するという要素を加えている。
 姫路で在住・在学・在勤または市政に関心のある35歳までの若者から、姫路の活性化や社会課題解決のアイデアを募る同カフェ。市は提案されたアイデアを次年度の施策や候補となるように検討する。市内企業と協働することで地域の新たな魅力を創出する狙いもある。参加者にとっては、まちの次世代リーダーとして自覚が芽生えるきっかけになっているようだ。

「魅力的なまち」「理想の暮らし」のために私たちができることは?
 参加者はまず7、8月の企画運営会議で市のSDGsの取り組みを学び、模擬ディスカッションを経験。8月の本番会議は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったため、代わりに在宅ワークを実施して集まったアイデア76件を「健康・福祉」「環境」「教育」「まちづくり」「産業振興」のテーマに分類。今回の「深掘りフォロー会議」では企業の担当者や市職員も加わり、グループ単位でテーマに基づき具体的なアイデアを提案した。
 主催者を代表して、姫路市政策局高等教育・地方創生担当の段守理事が「SDGs未来都市として目指すのは、グローバルな視点を持ちながら地域で活躍するグローカル人材の育成。まちづくりの担い手として活躍しながら、海外との懸け橋になってほしい。身近なところから地道な取り組みを中長期的に続けることが、SDGsとひめじ創生の実現につながる。たくさんの人と意見を交換して、実現したいことを発見してほしい」とあいさつ。会議の進行役を務める甲南大地域連携センター所長で経済学部の石川路子教授は「観察力を大切に、自分たち自身が楽しんでできるアイデアを考えてみよう。自分とは違う意見を否定せず、アイデアを一つ選ぶのではなく融合させればいいものになる」とアドバイスした。
 グループワークでは参加者が9班に分かれ、まずは自己紹介。続いてテーブルごとのテーマに関して、「困っている」「足りない」「取り残されている」人や物について各自考えた後にみんなで共有。グループで支援したいターゲットを設定し、その原因を探った。
 休憩を挟んで、ターゲットを支援するために自分たちが学校や会社でできることを模索。その支援策に多くの人が積極的に関われるような仕掛けづくりも考えながら、アイデアをまとめていった。仕上げはアイデアによってどんな社会が実現できるのか、17の目標があるSDGsの観点から考察。グループ発表に向け、ターゲットに設定した人や物を幸せにする支援になっているかを確認した。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ