厳しくおもろい〝おっちゃん〟 「兄貴的存在」若手ら慕う
2012/10/10 17:31
ノーベル医学生理学賞に決まり、研究室の研究員や学生たちと喜びを分かち合う山中伸弥教授=9日未明、京都市左京区の京都大iPS細胞研究所(京大提供)
ノーベル医学生理学賞受賞が決まった京都大教授の山中伸弥さん(50)は妥協を許さない厳しい研究者の半面、飲み会の席では冗談を言っては酒をついで回る「大阪のおっちゃん」の顔も。日ごろから若手に「ありがとう」と声を掛け、苦楽を共にしてきた仲間は「掛けてくれる言葉が励みになり、だから人がついてくる」と喜びをかみしめた。
奈良先端科学技術大学院大時代からの研究仲間で京大iPS細胞研究所の中川誠人講師(37)は山中さんを「フランクで兄貴分的な存在。賞を取っても偉ぶることもない」と慕う。山中さんの口癖は「言うはやすし、行うは難し」。アドバイスする際などに「言うはやすしやけど」と付け加え、若手も気持ち良く研究できる雰囲気をつくる。
「研究や実験も大事だが、伝えることも大切」と、プレゼンテーションの方法も細かく指導。研究を離れると「陽気な関西のおじさん」(iPS細胞研究所の若手研究者)で、自身の講演では笑いを取ることもしばしば。以前柔道をやっていたため、「俺は今なら谷亮子に勝てる。こうすれば勝てるんだ」と言い出す。
「ありがとう」は、普通の教授は若手に言わない言葉だ。「励みになって、研究も『よし頑張ろう』となる。めげずに研究をできたのは先生の気遣いがあったから」と中川講師。今後については「ノーベル賞を取ると仕事が増えて研究できなくなるのがストレスだと思うけど、その分われわれが代わりに頑張る」と思いやった。