快挙から一夜 山中教授「受賞に応える仕事を」 家族と研究仲間に感謝
2012/10/09 22:38
ノーベル賞受賞決定から一夜明け、大学職員から花束を受け取る山中伸弥京都大教授(中央)。右は妻知佳さん=9日午前、京都市左京区
ノーベル医学生理学賞の受賞決定から一夜明け、祝福と称賛が次々寄せられた。9日午前、京都大学の山中伸弥教授(50)は妻の知佳さん(50)とともにあらためて会見に臨み、晴れやかな笑顔をのぞかせた。家族や仲間への感謝を口にし、「受賞にふさわしい仕事と言ってもらえるよう頑張りたい」と語る山中教授。未来へ、夢を-。全身に強い責任と決意をにじませた。
予定の午前10時より約10分遅れて、京都大本部棟の会見場に現れた山中さん。紺色のスーツを着込み、グレーのスーツ姿の知佳さんを伴って、ていねいに記者の質問に答えた。
前夜は午前2時ごろまで国内外のメディアから取材を受け、その後、iPS細胞研究所に戻ると学生たちが変装して待っていたという。「私を喜ばせよう、和ませようという心遣いがありがたかった」と語った。
研究所の主要メンバーは、奈良先端科学技術大学院大のころからともに行動してきた。「いい学生や仲間に恵まれたことも受賞につながったと思う」と口にした。
iPS細胞の研究は難病に苦しむ多くの人にとっても希望の光だ。兵庫県では「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」と闘う明石市の中学3年、山本育海(いくみ)君(14)が体細胞を提供し、山中さんの研究に望みを託してきた。
山中さんは「大きな期待をこれまで以上に強く感じる」として、「創薬に関しては、これを機に製薬会社などの協力を得られればと思う。たくさんの人にメード・イン・ジャパンの薬を提供したい」と語った。
妻の知佳さんは受賞について「期待の声は聞いていたが、20~30年先の話だと思っていた。今回は全く予期しておらず、受賞決定の知らせに本当に驚いた」と振り返った。
前日夕方以来、山中さんと会っておらず、会見前にようやく顔を合わせたといい「受賞で変わったことといえば、少し疲れて見えることでしょうか」と笑わせながら、夫を気遣った。(黒川裕生)