一時は臨床医に戻ろうかと…神戸親和女子大創立50周年式典 山中京大教授が研究回顧 

2016/10/09 17:47

講演する山中伸弥教授=神戸ポートピアホテル

 神戸親和女子大学(神戸市北区)の創立50周年記念式典が8日、神戸ポートピアホテル(同市中央区)で開かれ、京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が記念講演した。約1500人を前に、ビジョン(目標)とハードワーク(懸命に働くこと)の大切さを語った。

 神戸大卒業後に臨床医になった山中教授は、当時治療法のなかったC型肝炎で父親を亡くし、治療法を開発する研究者を志した。米国で受精卵から作る万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)を研究。ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)作製に成功し、2012年にノーベル医学生理学賞を受けた。
 山中教授は帰国した30代を振り返り「研究がうまくいかず、マウスの世話係のようで臨床医に戻ろうかと落ち込んだ」と吐露。「米国の恩師の言葉『ビジョン・アンド・ハードワーク』を思い出し、受精卵以外から万能細胞を作るビジョンを持つことで前を向けた」と述べた。
 今月、ノーベル賞に決まった大隅良典・東京工業大栄誉教授に触れ「私の受賞もカエルの細胞からオタマジャクシを発生させた基礎研究があったからこそ。基礎研究の大切さが認められた」と喜びを口にした。(山路 進)

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