生きるのヘタ会?×神戸新聞

投稿コーナー「私も生きヘタ?」

交通事故で娘を亡くしたわんにゃんさん(60代)に聞く

 「生きるのヘタ会?」に2月末、「地獄の苦しみ」をつづった1通のメールが届きました。送り主は、交通事故で28歳の娘を失った60代の男性でした。紙面で投稿を紹介すると、多くの反響が寄せられました。今回は、悲嘆の渦中にある「わんにゃんさん」に話を聞きました。

 -事故後は?

 「眠れなくて、食べられなくて、イライラしたり、不安に襲われたり。とにかくなんでも涙が出るんです。前は歌が大好きやったのに、ポロポロ泣けてくるから聞かなくなりました。悲しくなると、気持ちがぐーんと落ちて、怒りに向かったり、『なんでこんなふうになってしもたんやろ』と思ったり。仕事を辞めようと思ったこともあるけど、仕事をしないと娘のことばかり考えるから、続けていて良かったのかもしれません」

 -つらいときは?

 「娘が亡くなった夜、ウイスキーの瓶を1本全部飲んだんです。700ミリリットル。でも全く酔えなかった。悲しみも記憶もどうもならず、頭はさえていました。今は、飲むと感情が少し薄くなるときもあるから、それを狙って飲んだりします。どうしても娘に会いたいときは、棺の中で眠る娘の写真を見ます。昔のアルバムは胸が爆発しそうで、見ることができません」

 -事故の前は?

 「家族の楽しい思い出がいっぱいあるんです。クリスマス、誕生日、正月…。でも、それが全部、裏返しになりました。事故前の自分とは全然違います。悲しみ、苦しみしかありません。生きるのがしんどくて、無駄な時間だと思います」

 「知人から四国八十八カ所巡礼を勧められて、歩いて回っています。膝は痛いし、爪ははがれるし、もう止めとけと言われます。でも、苦しい気持ちをそらすというか…、最後までやってみるつもりです」

 -今の自分は?

 「カウンセリングで『膝ぐらいまでの泥の中を一生懸命、前に進もうともがいておられるんですね』と言われました。そうかもしれない。でも、うまくいかず、へたくそな人間です」

 「でも最近は『ほかの人はどうしてはるんやろ?』と考えるようになりました。取材を受けたのも『こんな人間おるで』って、悲しい思いをしている誰かの力になれたらいいな、と思ったから。微力でも、それが今の僕にできることかな、と思ったりしています」

(聞き手・中島摩子)

 ◆わんにゃんさんの投稿は「生きるのヘタ会?」のサイトで読むことができます。




 

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