生きるのヘタ会?×神戸新聞

投稿コーナー「私も生きヘタ?」

更年期障害への受け止め、仕事との両立
 女優・歌手の南野陽子さんに聞く

 生きづらさについて、皆さんと一緒に考える「生きるのヘタ会? てんてん×神戸新聞」。2022年最初の当事者インタビューに登場するのは、「ナンノ」の愛称で親しまれている兵庫県伊丹市出身の女優、歌手の南野陽子さん(54)です。「更年期障害」のしんどさに直面する今、年齢を重ねることへの受け止め、仕事との両立、読者へのメッセージなどを、飾らない言葉で語ってくれました。(聞き手・中島摩子)

 -症状はいつから?

 「45歳ぐらいから、指がこわばる、肩が動かしにくい、頭痛や吐き気、何もないのに脈が速くなる、ということが出始めました。でも、今になって思えば軽くて、54歳の今の方がひどい。みんなが『寒い』って言っているのに、何で一人だけ汗をかいて、火照ってるんだろう、ということもあります」

 「週に3日は、寝込みたいぐらいしんどいです。目まいがして、ベッドから起き上がれず、『助けて』って、泣きながら夫に訴える朝もあります。人間ドックとか、いろいろ調べたりもしたけれど、はっきりしなくて、更年期だろうと」

 -どう受け止めている?

 「母や先輩女優さんから、大きい小さいあっても誰でもくるからね、と言われていて、しんどさも見ていたので、とうとう私も一段、階段を上ったなーって。来るものに関しては、落ち込んでもしょうがない。月経もそうだけれど、年齢を重ねて、そういう時期に入ったのなら、素直に『分かりました』です」

 「もともと私は、生理不順など婦人科系の悩みが多かった方だと思います。そのイライラが、仕事の時にうまく表現できなくて、生意気と言われたこともありました。寝る間もないアイドルだった当時は分からなくて、ただの性格だと思っていたけれど、後で考えると、苦しくなるのは必ず生理周期と重なっていました。でも、それがこの体の癖というか、私の持ち味というか、自分なんだな、と今は受け止めています」

 -しんどいときは?

 「朝、マネジャー(20代女性)に会った瞬間、『今日は最悪。何にもできないから、よろしくね』と、言う日があります。目まいがして自分の荷物も持てず、甘えきります。その代わり、元気な日には、マネジャーの少々の失敗にも目をつぶる(笑)。そこは持ちつ持たれつ、かばい合いつつ。夫にも、すべてのことをやってもらう日もあるけれど、そうじゃない日は『おかず、一品増やしちゃう』『湯加減まで心配してあげる』とか。バランスだと思います」

 「あとは、少しでも心地よくなるよう、食生活や睡眠など日常生活を整えるようにしています。昼間はちゃんと日の光を浴びる。ベッドの周りにいい香りを吹きかけたり、好きな入浴剤を入れたり、自分をフワ~と甘やかす時間を大切にしています」

 -仕事との両立は?

 「声が出なかったり、しまりのない表情だったり、せりふに感情が乗りすぎることもあるけれど、しょうがないと思うようにしています。そうじゃない日に加点しよう、って。54歳という年齢は、多くの女性もきっとそんな感じじゃないかな、と思うので。しんどさも含めてこの年齢の味なんだ、と受け止めて、アップの撮影が多い日としんどい日が重なっても、OKとしています」

 「でも、外に出られないぐらいしんどくて、しょうがないですまないときもあります。そういうときのために、自分に合うお薬を見つけておくなど、自分の体と向き合っています」

 -更年期について話す理由は?

 「私の職業は、人を励ましたいとか、喜んでもらいたいとかが原点です。更年期でしんどい、という人がいっぱいいて、私が『そうだよね。もっと周囲に分かってほしいよね、夫にも協力してほしいよね』と話すことで、『ナンノもそうなの?』『私だけじゃないんだ』という人がいるんだったら、いいかなと」

 「今は、晴れの日も、雨の日も、曇りの日もあって、今日はこんなに頭が痛いけれど、寝たら明日は晴れてるかも、と思うようにしています。でも、起きたら、あーどしゃぶりだった、と落ち込む日もある。でも、それならあさってに期待します。しんどさが、ずっと続くことはないんですよ。きっと。元気な先輩たちから、いずれ楽になるわよ、と教えられた言葉を信じて、今は成長期なんだ、次の段階への移行期なんだ、と考えて過ごしています」

     ◇     ◇

■伊丹市出身、兵庫県への思い熱く

 伊丹市出身で、松蔭中学・高校(神戸市灘区)で学んだ南野陽子さん。現在の拠点は関東だが、オンラインインタビューでは「私の頭の中は兵庫県人。出身が兵庫というのは、私の自慢の一つ」と、ふるさとへの思いを何度も口にした。

 2015年に執筆した神戸新聞のエッセー「随想」でも、多感な中高時代を神戸・阪神間で過ごし、感性が養われたことに触れ、「生まれた病院は尼崎市、寄り道や友人宅は西宮市。デビュー後にアルバイトをさせてもらったカフェは芦屋市」などと記している。

 今回のインタビューでは「山あり海あり歴史あり。兵庫県に生まれて良かった」としみじみ振り返るとともに、「話ができる親友は、阪神間に散らばっている」と、中高時代から途切れない縁にも触れた。

 発生から間もなく27年を迎える阪神・淡路大震災については「私は東京にいて、ただぼうぜんとし、すぐに駆けつけることも何もできなかった」と悔しさをにじませつつ、「頑張ってきた人をたくさん見てきている。その人たちの思いは忘れちゃいけない」。

 15年には、神戸市長田区で開かれた復興イベントに参加し、合唱曲「しあわせ運べるように」の歌詞を朗読。高校の同級生を震災で失ったことを明かしている。

【みなみの・ようこ】 1967年生まれ。18歳でデビューした85年、テレビドラマ「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」に主演。歌手としても活動。92年公開の映画「寒椿」「私を抱いてそしてキスして」で日本アカデミー賞優秀主演女優賞に輝く。近年は、テレビドラマ「半沢直樹」や映画「いのちの停車場」に出演。伊丹大使も務める。




 

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