生きるのヘタ会?×神戸新聞

「生きヘタ?」ニュース

■体験しました「生きるのヘタ会」後編

  • 印刷
記事
拡大
「生きるのヘタ会?」に参加した記者「まあちゃん」(左)=宝塚市立中央図書館
記事
拡大
8月の「生きるのヘタ会?」で参加者の語りを記録したホワイトボード=宝塚市立中央図書館
記事
拡大
輪になって語り合う「生きるのヘタ会?」の会場=宝塚市立中央図書館(撮影・藤家 武)
記事
拡大
「生きるのヘタ会?」で進行役を務める細川貂々さん=宝塚市立中央図書館(撮影・藤家 武)

宝塚市立中央図書館で開かれた「生きるのヘタ会?」に参加した記者を、進行役の細川貂々(てんてん)さんが、指名しました。

ここで名乗った「まあちゃん」は40代前半で、小学生と保育園児の姉妹の母親です。

子育てで「どうしてもっとうまくできないのかな…」と悩むことがあり、話すことにしました。

「私は体育会気質で、スポーツの部活などをしてきて、『しんどくなってから、どれだけ頑張れるか』を大事にしてきました」

私は、小学生のときはサッカーやソフトボールをし、中学と高校はソフトテニス部でした。

少女時代はバスケットボール漫画「スラムダンク」を愛読し、「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」の台詞は心に深く刻まれています。

社会人になってからも、「根性」や「気合い」は自分の大切なパーツだったりします。

話を続けます。

「子どもがスイミングをしたり、公園で(遊具の)うんていをしたりしている時、途中で諦めると、『なんでそこで頑張れないの?』とか、言ってしまうんです」

「この前も、うんていを途中で諦めて降りた子どもに、『あかんと思ってから頑張らないといけない。もう一回!』とか言っちゃって。それで、ママ友に止められました。『そんなんして、うんていを嫌いになったら意味ないやん』って」

忘れもしません。コロナ禍の緊急事態宣言中でした。公園で子どもと私、張り詰めた空気になりました。

「ママ友の言葉に『ほんまや…』って、自分にゲンナリしました。今後、子どもが大きくなったとき、自分の価値観や生き方を押しつけてしまいそうで怖いです」

「やす」さんという中年男性が手を上げました。

「私も経験があるけれど…」と前置きし、「ご自身が頑張っていた年齢と、今の子どもさんの年齢って、どうですか?」

「ぜんぜん違います…」と私。

言いながら、ハッとしました。

やすさんは「多分、自分が部活とか頑張ったのって、中学とか高校の感覚じゃないですか? それが残ってるんですよね。子どもさんはもっと小さいでしょ?」

私「小学1年生です」

やすさんが、穏やかな声で続けます。「ご自身が1年生の時にどうだったか考えると、『意外とそんなもんちゃう?』みたいな。中学や高校の時は、頑張ってたけど」

「やっぱり、親って、自分が生きてきた価値観が出てしまう。それはそれで…、でも、自分が頑張った年齢と今の子どもの年齢に”ギャップ”があること、意識してみるのはどうですか?」

やすさんと言葉を交わしながら、「ほんまやー」の連続です。

「確かに、私が頑張っていたのは中学、高校だったなって。そういう視点を持ちながら、接したいです。ありがとうございます」

次に、中年の女性が手を上げました。

「私、子どもはもうデカイんですけど…、親の力だけで子どもを幸せにできる時間って短いと思うんですよ」

「そういうときに、目先のうんていができるかどうかとかで、親の力で子どもを幸せにできる大事な時期を逃すのはもったいない。大人になったら、うんていが1年でできようが2年でできようか、たいしたことじゃないですよー」

親の力で子どもを幸せにできる時期…。子育ての先輩の言葉が、胸に刺さります。

先輩は「でもね、そういうのって、子どもに一生懸命だから。私も一生懸命やってたけど、その一生懸命が良い方向にはいかないこともある。そういうことで子どもとお母さんの楽しい時間を逃すのは、もったいないかな」。

心に染みます。

別の女性も「気持ち、分かります。私、自分が本が好きだから、子どもも好きになると思ってたら、全然読まないんです。なんで?って。自分の子どもだから、自分がこうだったから、頑張ってきたから頑張れると思うけど、子どもって、全然違うんですよね。性格も、得意なことも」

言葉があったかい。

「自分の子どもやから、よりも、どんな子かなー?と見てあげたら、お母さんも楽になるかもしれませんよ」

口火を切ってくれたやすさんが、再び手を挙げ、「一日一回、抱っこしてあげるのはどうですか? 中学生になったら、なかなかそうもいかないし」。

それぞれの発言を聞きながら、私は思わず、「皆さん、ありがとうございます」と言っていました。

そして、てんてんさんが「そろそろ時間になりました~」と言い、この日の「生きるのヘタ会?」は終了しました。

緊張しながら参加した「生きるのヘタ会?」。途中から、力が抜けていき、輪の中で発言するのがなんだか気持ちよくなりました。

そういえば、てんてんさんはインタビューで「しゃべると、気持ちいいんだと思う」と言っていたなぁ。

初対面の人たちと共感したり、共感されたり。その中で、私も「気づき」がありました。「ほんまやー」って。

なんだかすごく大切なものを得た気がした帰り道。家に着いてすぐ、小学1年の長女を抱っこしました。

生きるの上手じゃないけど、明日からまたなんとかやってみようかな、と思うことができた「生きるのヘタ会?」の初体験でした。

天気(6月16日)

  • 24℃
  • ---℃
  • 70%

  • 23℃
  • ---℃
  • 70%

  • 24℃
  • ---℃
  • 70%

  • 24℃
  • ---℃
  • 70%

お知らせ