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■「冬季うつ」について「まつい心療クリニック」の松井律子院長に聞きました

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「冬季うつ」について語る松井律子院長=神戸市東灘区岡本2、まつい心療クリニック

 冬になるとなんだか気分が落ち込む-。それは「冬季うつ」かもしれません。今年の冬は、新型コロナウイルス禍や大阪・北新地のビル放火殺人事件、俳優の急死などが重なり、さらに心が沈みがちです。冬季うつって何? どう過ごせばいい? 神戸市東灘区にある「まつい心療クリニック」の松井律子院長(63)に教えてもらいました。(中島摩子)

 -冬季うつとは?

 「『冬季うつ』は通称で、正しくは『季節性感情障害』と言います。冬至の2~3週間前から『なんでこんなに落ち込むんだろう…』という人が増えます。気分が落ち込むきっかけが不明確なのも、冬季うつの特徴の一つです」

 -なぜ冬に?

 「一番の原因は日照時間です。日光に当たる時間が短くなると、脳内のセロトニン(神経伝達物質)が減り、気分が安定しにくくなったり、不安を抱きやすくなったりする、と言われています。加えて、気温が低くなるとストレスを感じ、落ち込みを助長します。また、クリスマスやお正月を楽しむ人が目に付き、『自分だけ、取り残されている』という孤独感を抱きやすい時期でもあります」

 -どうすればいい?

 「まずは朝の紫外線を浴びることです。外に出ても、窓越しでもいいので日に当たってください。また、冬季うつ患者の特徴の一つに過眠があります。生活リズムを整えることも必要です」

 「自分は冬は落ち込みやすいと自覚したら、楽しい機会をつくったり、規則的に食べて寝る生活リズムを維持したりして無理をしないことも大切です。私の場合は、冬至の近くは好きな物を買って食べるようにしたり、寒い朝でもカーテンを開け、太陽が上がるのを見たりするようにしています」

 -コロナ禍との関係は?

 「コロナ禍で、外を歩くのが減ると、日光を浴びる機会が減ってしまいます。また、友人と出会って楽しい時間を過ごしたり、『しんどいわ』『年末、忙しいわ』などとおしゃべりしたりする機会が減ると、ますますつらくなります。人に聞いてもらったり、共有したりすることで、助けられますよね。そういう面でも、コロナ禍は冬季うつを助長していると思います」

 -クリスマスやお正月につらい気持ちになったら?

 「一人で抱えこまず、電話でもメールでも何でもいいので、誰かとやりとりをしましょう。相手が見つからないときは、いのちの電話やNPOの相談窓口に電話し、聞いてもらうのもいいです」

 -大阪・北新地の放火殺人事件などショッキングなニュースが続いています。

 「暗いニュースが流れている時は要注意です。気分の落ち込みに拍車がかかります。私は寝る前はインターネットを見ないとか、日曜日は見ないとか、決まりを作っています」

 「こういう時こそ、自分のペースを守ることも大切です。仕事に行って、お風呂に入って、ご飯を食べて-。これを、淡々と続けます。そして今、自分が『できていること』を確認します。暗い気持ちの時は、できないことで頭がいっぱいになります。あれができていない、これができない、と思ってしまいますが、実際にはできていることの方が多いです。それが分かれば、安定につながります」

 -冬季うつはいつまで続きますか?

 「冬はいつか終わり、春は絶対に来ます。お正月が過ぎて、しばらくしたら、だんだんと日が長くなり、2月のバレンタインデーのころには、寒くても明るくなっています。私はバレンタインデーを『冬が抜ける』目安にしています」

 「冬の影響は、程度の差はあれ、誰にでもあると知っておくことも重要です。そして、トンネルの先に出口はあります」

 【冬季うつの主な特徴】

◇毎年、冬になると気分が落ち込み、行動力も低下する

◇春から初夏になると回復し、行動力も普段通りに戻る

◇過眠になる

◇過食になる

◇症状につながるきっかけがはっきりしない

 

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